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美味手帖

夏の養生食!旬の「アワビ」を楽しむために知りたい7つのこと。実は巻貝?何を食べて育つの?

2021.05.17

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名産地・名店で味わう、家庭で楽しむ 究極のアワビ三昧 第4回(全8回) 夏に旬を迎えるアワビは、磯の香りが清々しい美味なる食材。心ゆくまで味わいたい極上のアワビ料理やお取り寄せ情報をお届けします。前回の記事はこちら>>

神代より続く、めでたき印 日本人の暮らしに生きる“アワビ”


日本人の暮らしに生きる“アワビ”

志摩の海はアワビを育む海藻が豊富。見るからに立派な黒アワビは重さにして1個250グラムくらい。10.6センチより小さなものは禁漁指定。

『日本書紀』や『古事記』にも縁起物の象徴として登場する“貝の王様”アワビは、贈り物に欠かせない熨斗のルーツであることをご存じでしょうか。


日本人の暮らしに深くかかわる、アワビについてまとめました。

日本人の暮らしに生きる“アワビ”

1.アワビは夏の養生食


アワビの旬は夏。暖かい海で育つアワビは、海水温が20度程度になる晩秋から冬にかけて産卵期を迎えます。そのため、身に栄養をたっぷり蓄える7月から9月が旬。

輝く太陽の下でとれたての活けアワビが身を生き生きとくねらすさまはいかにも新鮮で、磯の香り漂う白い身は涼感に溢れ、食欲をそそります。この時期のアワビにはビタミンが豊富に含まれ、栄養価の高さからも古くから夏の養生食として珍重されてきました。何より、コリコリとしたその歯ごたえと甘み、繊細なおいしさは“貝の王様”にふさわしい風格をたたえています。

2.アワビは巻貝である


アワビはミミガイ科の約100種類もある食用できる大型種の総称です。一枚の平べったい貝のように見えますが、実はれっきとした巻貝で、殻口にあたる部分が成長とともに大きく広がり、扁平な形に変化したものです。

アワビの殻は内側から層が重なって、1年で約3センチ、3年で約8センチ、5年で約13センチと大きくなっていきます。それに従って呼吸や排泄、生殖をつかさどる殻の呼水孔も新旧交代。アワビの呼水孔は4~5個で、この穴の列を中心部の方に辿り、殻頭部をよく観察すると螺旋状に巻いているのがわかります。

3.本当にとれなくなっている?


海に囲まれた日本では北海道から九州まで各地でとれるアワビ。アワビ類全体で最も漁獲量が多いのは岩手県、次いで千葉県、三重県と並びます(2019年調べ)。

産地として名高いのは房総、伊豆半島、伊勢志摩など。なかでも鳥羽・志摩、房州、輪島・舳倉(へぐら)島では古くから海女漁が行われてきました。しかし国内の総漁獲量は、6000トン台に達した1960年代後半から現在に至るまで減少が続いています。地球温暖化や環境破壊、乱獲などが原因と考えられ、海女漁においても環境を守り資源を枯渇させない努力が続けられています。
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