蛍狩りの風情漂う渋格好いい訪問着
6月の晴れのシーンにぴったりなのが、深い紫の地色に紺色で奥行きを感じさせる遠山を描いた訪問着。ちょっと見、シックでありながら遠目にも存在感のある一枚で、日本舞踊のお師匠さんである橘 左梗(たちばな・さきょう)先生から譲られたものです。
左梗先生はマイケル・ジャクソンやヘビーメタルの曲に合わせて日本舞踊を踊っちゃうような方で(笑)、しっとりとした訪問着も現代的なセンスでさらっと格好よく着る方でした。
そんなわけで、私も訪問着だからと重厚な帯を合わせずに、博多献上の名古屋帯をあっさりと合わせてみました。帯の間道柄と、帯揚げのストライプがきりりとした印象に感じませんか?
シックなワントーンがモダンで、映画や舞台の挨拶でも装いたいコーディネートになりました。
蛍を表現した銀糸の刺繍は、歩くたびに光を集めて遠目にも繊細に輝きます。 柴田理恵(しばた りえ)
女優。1959年、富山県に生まれる。1984年に劇団「WAHAHA本舗」を旗揚げ。舞台やドラマ、映画など女優として幅広い作品に作品しながら、バラエティ番組で見せる豪快でチャーミングな喜怒哀楽ぶりや、優しさにあふれる人柄で老若男女を問わず人気を集めている。趣味は料理。愛犬家としても知られる。
撮影/岡積千可 スタイリング/石田節子 着付け/長谷川裕子 ヘア&メイク/光倉カオル 取材・文/樺澤貴子