加齢による睡眠時間の減少を放置しない
眠ってから起きるまでの間で特に重要なのが、寝入りから90分間です。この時間には成長ホルモン(グロースホルモン)の1日の総量の70〜80パーセントが分泌されます。成長ホルモンは細胞の増殖や新陳代謝を促して骨や筋肉を作り、皮膚の柔軟性を維持します。更年期以降にリスクが高まる骨粗しょう症や筋肉の減少、さらには肌の衰えを予防する重要なホルモンなのです。
「もし6時間、7時間といった十分な長さの睡眠がとれないとしても、この90分間の眠りが深ければ、成長ホルモンの大半を確保でき、自律神経の働きもよくなって、睡眠のリズムも整います。そういった理由から、この90分間は眠りのゴールデンタイムといわれています」(西野先生)。
加齢とともに睡眠時間は自然に短くなります。大切なのは、それを放置しないこと。「超高齢の人はともかく、活動が活発な中高年では睡眠の質を把握し、それに応じた対策をとることが重要です。睡眠時間や眠りの深さなどを計測してくれるスマートウォッチ、スマートフォンやタブレットの睡眠アプリを利用するのもおすすめです」。
「眠活」実践編は明日2021年11月18日に配信予定です 取材・文/小島あゆみ 撮影/FumitoShibasaki〈Donna〉、小林廉宜 撮影協力/和光 TEL:03(3562)2111
『家庭画報』2021年11月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。