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写真/PIXTA京都トラベル最新の喫茶&カフェ
(京都特派員:西村晶子)
おいしいお茶やコーヒー、こだわりの甘味、ご主人のセンスが感じられる空間、選りすぐりの器、さらに買い物も楽しめるなどなど、京都のカフェは個性的。散策の途中におすすめの最新で大人なお店3軒をご紹介します。
土蔵造りをそのまま残した趣のある外観。長年インド雑貨の店があった場所で、寺町通側に入口がある。美意識高い韓国喫茶
「喫茶 寺町李青」
1軒目は、河原町今出川近くにある韓国喫茶「李青」の2号店。場所はアンティーク店や老舗が点在する寺町通と丸太町通の南東角。土蔵造りの建物の魅力をそのまま残しながら居心地のよい空間に改装されています。
テーブルや椅子はオーナーの鄭玲姫さんが自宅で使っていたものや、東京の世田谷・経堂にあった「茶房李白」から譲り受けたもの。お店の板壁をはがすと中から出てきたという年代ものタイルやすりガラスの窓がレトロな趣を放ち、日本や西洋のものもあって、隅々まで鄭さんの洗練されたセンスが伺えます。
鄭さんの収集した雑貨や器、ポジャギも販売。下段に並ぶ白磁の器は藤塚光男作。体にいいお茶やスイーツを味わい、韓国のクラフトに触れる
メニューには韓国のお茶や自家製のスイーツが並び、この日いただいたのは「韓方茶」と「禅食ケーキ」。“禅食”とはかつて韓国の僧侶が修行中にお腹を満たすために飲んだといわれ、ケーキは穀類を控えめにしてより体にいいものにアレンジされています。
フードもあり、「李青」の名物と言えばピビンパですが、こちらは「黒毛和牛のカルビサンド」。和牛ロースとキムチを挟んだ韓国版トーストサンドで、冬の間は「トック入りの雑煮」も楽しめます。
お店には韓国で買いつけた雑貨や器、ポジャギ、韓紙などを販売するスペースも。京都・亀岡で作陶する藤塚光男さんの白磁の器も扱っていて、3月には個展が開催されます(3月10日~13日)。一人で過ごすもよし、買い物を楽しむもよしの大人の喫茶店です。
さまざまな穀類や豆、薬草などで作った禅食ケーキ500円。甘さ控えめで独特の食感。ケーキと餅、サンドイッチは持ち帰りも可能。さまざまな薬草やシナモン、しょうが、松の実などが入る伝統的な韓方茶700円。人参茶、木の実茶、なつめ茶などがあり、コーヒーにもこだわりが。風合いのあるテーブルや照明をさりげなくしつらえた店内。韓国のものに限定せず、日本のクラフトや花、西洋の調度品も置かれ、BGMはクラシック。鄭さんによれば「私の部屋の延長のような空間」。静寂にして刺激的だが、初めての人にも心地よい。喫茶 寺町李青
京都府京都市中京区下御霊町633(寺町通丸太町東南角)
電話 075(585)5085
営業時間 12時~18時
火曜定休