アクリル製の長皿にメインとなるアレンジを作り、両側へ伸びてゆくように水耕栽培風のコップを並べて、テーブルの中央に花を細長く生けた。Tips2
長皿の上に並べて春のフラワーランナーを
水耕栽培風のヒヤシンスやクロッカスとともに、多美保さんはテーブルランナーのように卓上に細長く球根の花をあしらっています。
メインのアレンジメントの花器にしているのは、籠目が透けるアクリル製の大きな長皿。水で湿らせたモスをぎっしりと敷き、ムスカリやチューリップ、ヒヤシンス、クロッカスといった小さな球根植物を並べました。
「球根ならオアシスがなくても卓上花のアレンジメントが作れます。生け方のコツは、モスで隠してしまわずにあえて球根が見えるようにすること。色々な種類を、複数並べて野の花畑のようなイメージに」。
翌日からは、毎朝水に浸してあげたり、自立しづらくなったものは小さなガラス器に入れ替えたり……。「様子を観察しながら小さな球根たちの生命力を感じていると、とても愛おしくなります。毎日手をかけてアレンジするのも楽しいんです」。
花が楽しめるのは1週間ほどですが、多美保さんは枯れてしまった花をきれいに摘んだら、小さな球根と葉だけをグラスに移し、違った景色としてしばらく楽しむそうです。
根付きのバンダは、状態や環境にもよるが3週間くらいは花が楽しめる。花が終わり、艶やかな葉と力強い根だけの姿にも美しさがあるのがランの魅力の一つ。Tips3
石+流木でスタイリッシュに飾る根付きラン
球根の花と同様に、切り花とは異なる独特の生命力を楽しめるのが根付きのランの花。
多美保さんは「根付きのランは花持ちも良く、花、葉、根、それぞれが美しいオブジェ的な存在。リュクスな雰囲気を備え、アレンジ次第でとってもお洒落になる、インテリアデコレーションに映える花です」と言います。
2つ並んだソロソファの間に生けたのは大きな根付きのラン「バンダ」。
背の高い筒型の花器を使って、観葉植物のように床置きにした姿は、何ともスタイリッシュな趣です。花器の底に石を入れ、流木を立てて花留めにすることで、重さのある根付きのバンダを安定させました。
ソファに座れば間近に優美な花姿がじっくり堪能でき、少し離れた場所からは迫力ある造形美を眺めることができます。
古くより人を惹きつけ続けてきたランの魅力を再認識する、たった1輪が空間の景色を美しく変えるデコレーションです。