バンビ(正式名はルーチェディスペランツァ。ウェストファーレン。せん馬)に優しい眼差しを向け挨拶をする小林さんは、「日々、絆が深まるのを感じます」という。馬に近づくときには、まずはアイコンタクトでお互いの気持ちを通わせることが大切だそうだ。夫婦で取り組む夢、馬と人間の幸せな未来
医師である小林さんは、馬が人間にもたらす効果についても研究に取り組んでいます。
小林さんは「欧米では、ホースセラピーは広く知られており、馬が病室まで訪ねていくこともあるぐらいです。自閉症やうつ病の子どもたちの心をほぐすのにも役立っています。体は大きくても繊細で、初対面の人を怖がる馬の様子にシンパシーを感じるようです」と教えてくれました。
アーティストが、ガイアとバンビの毛並みや足の模様をそっくりに再現したミニチュア。自宅玄関でお客さまを迎える馬の写真。小林さんの影響で、同じく医師であるご主人の弘幸さんも、専門である自律神経と馬との関係について興味を持つように。
「暁子の乗馬を見学して、乗馬は馬と人間がともに心を配り合いながら、自律神経を駆使する究極のスポーツだと気がついたんです。実際、人の心に温かい愛情を呼び起こし、自律神経を整える、別名“愛情ホルモン”とも呼ばれるオキシトシンの分泌は深い関係があるだろうといわれています」と弘幸さん。
最後に小林さんはこれからの目標を語ってくれました。
「ガイアと幼い頃の暁子の面影を持つ女の子の姿に惹かれて購入しました」と弘幸さん。乗馬を始めてから夫婦の会話が増えたという。馬の研究について語り合ったり、弘幸さんが撮影した小林さんの競技時の写真を見て過ごす。「生涯、馬術競技に出られる体力と気力を保つこと。そして素晴らしい選手、特にパラ馬術の選手を心身ともにサポートしながら、乗せている馬の状況もある程度判断できる質の高いスポーツドクターになることです。そのために、国際大会レベルに帯同できるスポーツドクターの資格取得の準備を進めております。馬の健康維持のための獣医学の知識を学び、専門である腸内環境の見地から、馬の腸についての研究も。すべての馬が健康で幸せであることを願って、自分たちができる形で恩返ししたいと思います」。
自律神経が整うことを実感できる馬の写真集
「馬に触れなくても、眺めるだけでストレスが緩和し、不安が解消するという検証結果もある」と弘幸さん。その事実を知ってもらうために出版した『見ているだけで自律神経が整う馬の写真』(日本文芸社)が話題に。写真に添えられたメッセージにも癒やされる。
小林暁子(こばやし・あきこ)「医療法人社団 順幸会 小林メディカルクリニック東京」院長。女性の悩みのひとつ、肌荒れの原因になる便秘の改善医療で、著名人も信頼をよせる。メディア出演多数。小林弘幸(こばやし・ひろゆき)順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。自律神経測定“Lifescore®”監修者。20年以上にわたり、自律神経バランスの重要性を伝えている。藤沢乗馬クラブ
著名な選手も輩出している歴史ある名門乗馬クラブ場外と場内馬場を備える乗馬クラブ。場内馬場では、雨天でも変わらず練習ができるので多忙な人も計画を立てやすい。子ども向けレッスンもある。リゾート気分を味わえるクラブハウスの建物も魅力。
住所:神奈川県藤沢市善行5-14-6
TEL:0466(81)1381
営業時間:8時30分~17時
定休日:月曜(祝日の場合は営業、翌日休み)
URL:
https://www.fujisawa-rc.com/ 撮影/鍋島徳恭 ヘア&メイク/遠藤芹奈 取材・文/小倉理加
『家庭画報』2023年1月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。