更年期の不調や月経トラブル頻尿といった、女性特有の悩みは、「膀胱のむくみ」に原因があるかもしれません。経絡の刺激で膀胱を活性化する簡単なエクササイズをご紹介します。(この記事は、発売中の『からだにいいこと』2023年10月号より一部抜粋・再編集しています)。
教えてれたのは…今中健二先生
中医師。中国江西省新余市第四医院医師。「患者の立場に立った医療技術」発展のため、医師や医学生に向けたセミナーや講演も行っている。著書に『「胃のむくみ」をとると健康になる』(サンマーク出版)他。
「膀胱が体内の余計な水分『湿』を帯びてむくむと、生殖器や泌尿器の不調を引き起こします。たまっ た湿は比較的近い腰付近だけではなく、脚にまで停滞。下半身が冷えて血流が悪化します」と話すのは、中医師・今中健二先生。
むくみ解消のカギとなるのが、中医学で体のエネルギーが通る道と考えられている「経絡(けいらく)」への刺激。経絡の流れが滞ると、体内のむくみやさまざまな不調に発展。
STEP1 経路の滞りを解消
水分の摂りすぎや運動不足によって膀胱はむくみ、経絡は滞ります。ストレッチやマッサージなどで、経絡の流れがスムーズになるように促して。
STEP2 余分な水分が流れる
経絡の流れが良くなると水分代謝が上がり、体内にたまった余分な水分や老廃物を排出します。同時に新陳代謝が上がり、ポカポカ体質に。
STEP3 膀胱の機能が改善
膀胱の機能が改善すると、きちんと尿をため、適度に排出できるように。膀胱が本来の機能を取り戻せば、尿トラブルとも無縁になります。
STEP4 婦人科の悩み解消
膀胱にたまった余分な水分が流れることで、下半身の冷えが改善。ホットフラッシュなどの更年期不調や、PMSなどがラクになります。
経絡の流れが滞ると、むくみや痛みなどさまざまな不調が表れます。
①尿の排泄を促す「膀胱経」
目頭から出発し、頭部を経て背中から腰、脚の外側、足の小指の外側まで流れる長い経絡。尿の蓄積や排泄のほか、泌尿器周辺の臓器にも関わる。
②水分や血圧を調整する「腎経」
足裏から脚の内側を通る。膀胱経と密接した関係で体内の水分のろ過を行い、尿の量の調節をする司令塔の役割を持ち、ホルモン分泌にも関与。
2つの経絡の滞りを解消すれば水の体内循環が良くなり、血行が促進。膀胱の機能が活性化して全身のバランスが良くなり、内側から健康な体に。
①タオルを三つ折りにして足にかける
フェイスタオルを1枚用意して、横に三つ折りにする。座った姿勢で、タオルを右脚の足裏にひっかけて、そのまま後ろに体を倒す。
②ひざを伸ばしてつま先を上下する
タオルをかけた右脚を伸ばし、つま先を5~10回上下する。ひざが伸ばせない場合は曲げたままでもOK。ふくらはぎの裏の伸びを感じて。左脚も同様に行う。 左右各5~10回ずつを目安に。
〔ここがポイント!〕「上げるときはすね」を「下げるときはふくらはぎ」を意識して
背すじを伸ばして椅子に座り、5秒かけてゆっくり肛門を締める。そのまま子宮をお腹につり上げるようイメージし、力を抜く。5回繰り返す。
『からだにいいこと』2023年10月号
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●公式サイト「からだにいいことWeb」 URL:https://www.karakoto.com/
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この記事は、『からだにいいこと』2023年10月号の内容を抜粋・再構成したものです。 監修/今中健二 イラスト/ふるやますみ