〔特集〕クリスマスのおもてなしアイディア集 高級感ある手作りインテリア 何かとお客さまを招くことの多い12月。高級感ある手作りインテリアで、クリスマスを盛り上げましょう。センスが光る達人たちのクリスマスインテリアや、ご自宅のデコレーションにも役立つ、プロのテクニックを拝見します。
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明かりでおもてなし。北欧スタイルの聖夜──内山章一さん(照明デザイナー)
照明先進国、デンマークの心地よい明かりでくつろぐ
暖炉やキャンドルの揺らめく炎、部分照明などの柔らかな光が贅沢であることを教えてくれるリビング。「リラックスするための究極は暖炉とキャンドルだけの明かりではないかと思うのです」という内山さんは、デンマークの名門照明メーカーのルイスポールセンにて、欧州以外のデザイナーとして初めて商品化され、世界的なベストセラーになった「エニグマ」を手がけたことで知られる。アイラーセンのソファ、フリッツ・ハンセンのポール・ケアホルムによるチェア「PK22」、ルイスポールセンのアルネ・ヤコブセン「AJ フロアランプ」など、北欧の家具でコーディネート。
“天井からの光ではなく、低くて、柔らかな光が贅沢なのです”
コロナ禍を契機に、生活拠点を軽井沢に移した照明デザイナーの内山章一さん。名門別荘地として知られる「鹿島の森」で、築40年ながら瀟洒で堅牢なプロブァンス風の建物に出合い、1年かけて内装を北欧モダン風にリノベーションしました。
プロヴァンス風の瀟洒な外観。玄関には欠かせないウェルカムキャンドルとともに、手作りリースの明かりでお出迎え。
天井高8メートルのリビングには、自身がデザインしたデンマークの名門照明メーカーのルイスポールセンの「エニグマ」を配するなど、実生活の場で、器具としての照明ではなく、本物の“明かり”を体感できる仕事場兼自邸としています。
内山さんがデザインしたルイスポールセン「エニグマ」が照らす聖夜の食卓。
「天井の真ん中に蛍光灯を下げる一室一灯が、戦後、安易に標準化され日本の照明文化を貧しいものにしました。一方、北欧では部屋の隅々まで照らすのではなく、ペンダントやフロアランプ、テーブルランプなど部分照明を多用する一室多灯が基本です。上からの光は機能的ではあっても、心地よいものではありません。天井からではなく、横からの光や、低くて柔らかな光を使うとリラックスできる──照明は心地よい場を作る道具なのです」と内山さん。
聖夜、内山邸ではいつも以上にキャンドルを灯し、照明を道具に各所で心地よさを演出します。この住まいは「明かりでおもてなしをする」という北欧流の豊かな発想を教えてくれます。
電池式イルミネーションのウェルカムリース
地元で採取したモミの木やヒバ、イチイを使った手作りリース。電池式の細いLEDイルミネーションを絡ませ、野外で点滅灯を楽しみます。
グレア(眩しさ)のない北欧の名作照明(エニグマ)が心地よさをもたらす
内山さんがデザインしたルイスポールセン「エニグマ」が照らす聖夜の食卓。「エニグマ」は、薄い複数のシェードが同心円状に層を成すオブジェのような彫刻的なフォルムが特徴です。
どの角度から見てもグレア(眩しさ)がなく、間接光による柔らかな光で照らすが、それでいて食卓の照度は本が読める800ルクスを確保。
光源が見えない、つけても消しても美しいというルイスポールセンの照明哲学を踏襲しつつ、「軽くてコンパクト」という利点を加えています。
吹き抜けのリビングには、大きなサイズの「エニグマ」を設置。
内山章一(うちやま・しょういち)1972~1977年ヤマギワに勤務後、内山章一デザイン事務所設立。2003年ルイスポールセンから発表したペンダントライト「エニグマ」が世界的ベストセラーに。
(次回へ続く。
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