アンティークからブランドの逸品まで 一生もののカトラリーと出合う テーブル上でプレートの横に並ぶカトラリーは手で持ち、口に触れる機会の多い物ですが、一度入手すれば破損も少なく、長く愛用できます。子ども、孫の世代にまで使い継いでほしいと思えるカトラリーを探しに出かけてみませんか。
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スターリングシルバーの証 “ホールマーク”を知る
14世紀、英国では純度92.5パーセントの銀をスターリングシルバーと制定。厳格な品質管理と審査による保証“ホールマーク”を刻印することが法律で定められました。16世紀中頃には制度がより整えられ、詳細情報が刻印されるようになりました。
ホールマーク
ホールマークは「ライオンパサント」「デートレター」「アセイ・オフィスマーク」「メーカーズマーク」の4つの刻印が基本。一定の期間においては「デューティマーク」も加えられた。英国銀器が今日まで確かな品質を保っているのは、この刻印があるからこそ。
ライオンパサント
横向きの姿のライオンは、銀の含有率が92.5パーセント以上であることを示す刻印。スタンダードマークとも呼ばれる。
デートレター
製作年。アルファベット1字を大小、ブロック体や飾り文字などさまざまな意匠で表示。1478年から製作年を特定可能。
アセイ・オフィスマーク
産地の刻印。英国には11都市にアセイ・オフィス(試金評価機関)が置かれ、どこで認証されたのか判別ができる。王冠はシェフィールド、いかりはバーミンガム、ライオンの顔はロンドンを意味する。
メーカーズマーク
製作した工房を示すもの。工房の略称をアルファベットで刻印。写真は時代を牽引した2社。MN&WBは、1775年にシェフィールドで創業したマッピン&ウェブ社。E&Coは、1830年代にバーミンガムで創業したエルキントン社。
デューティマーク
戦費調達などを理由に1784~1890年まで徴税が行われ、納税の証として国王の横顔が刻印。右はジョージ3世、左はヴィクトリア女王。
銀器の上手なお手入れ方法
左・還元剤を含む手袋で乾拭きも効果的。 右・磨き剤はプリマ楽器「ライツ シルバー・クリーム」2750円が最適。 プリマ楽器 TEL:03(3866)2215
表出した茶色の膜を落とし、輝きを保つ方法を紹介します。
(1)乾いたスポンジまたはビニール手袋に磨き剤(重曹でも可)をつけ、銀器にまんべんなく塗り、優しくこする。
(2)ぬるま湯で流し、スポンジに食器用洗剤をつけ洗い流す。
(3)柔らかい布でしっかり水を拭き、乾燥させる。
(次回へ続く)
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