3.High Tea(ハイティー)
手前の皿は「コロネーションチキン」など2種のサンドイッチ、ソーセージロール、サーモンとほうれん草のキッシュ。いずれも英国の食卓の定番メニュー。その他、2種のスコーンがクロテッドクリームやジャムとともに出される。写真は一例。器はスポードの「ブルーコロネル」。
紅茶とともに料理をいただく労働者階級のスタイル
夕方17時頃から、紅茶とともに家庭で夕食を楽しむことを「ハイティー」と呼びます。19世紀に労働者階級の間で広まった習慣で、サンドイッチやスコーンのような軽食に加え、メインとなる肉料理や魚料理もテーブルに並びます。さらに、ビールなどのお酒を一緒に飲むこともあります。
アフタヌーンティーはローテーブルでいただくのが基本のスタイルであったのに対し、食事用の高いテーブルを用いることから「ハイティー」の名がついたといわれています。
アフタヌーンティーが流行した時代、昼下がりに優雅なティータイムを楽しめるのは、ごく一部の限られた富裕層のみでした。
朝から夕方まで労働をする階級の人々が、仕事を終えた時間に、当時一般庶民にも普及し始めていたお茶を飲みながら、夕食をとる。このようなささやかなひとときからハイティーの文化は生まれました。イギリスでは今もミドルクラスの間で親しまれています。
(次回に続く。
・この特集の記事一覧はこちらから>>)