〔特集〕正統的なスタイルを知る 教養としてのアフタヌーンティー イギリスで生まれた背景やその種類、そして意外なトリビアを知れば午後のティータイムはいっそう充実したものとなります。英国文化に造詣の深い、ティーサロン「スリーティアーズ」の新宅久起さんと一ノ木理恵さんに、自身の経験に基づいた、アフタヌーンティーをより深く優雅に楽しむための知識を教えていただきました。
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アフタヌーンティーの基本Q&A
席につき、3段スタンドが運ばれてくると、何から手をつければいい?正しいいただき方は? マナーは大丈夫かなど、気になることが次々と出てきます。英国で見聞してきたことをもとに、新宅さんに一例をお答えいただきました。
Q:スコーンの食べ方、クリームとジャムの正しい塗り方は?
A:スコーンは手で割るのがおすすめですが、ナイフを使っても。クリームとジャムを塗る順番はお好みで。スコーンは手で割るのがおすすめ。断面に凹凸ができ、クリームやジャムがよくなじむからです。“狼の口”と呼ばれる側面の割れ目から上下に2つに割ります。クロテッドクリームとジャムを塗る順番はお好みで。全面ではなく、一口で食べられる部分だけに塗るとよいでしょう。
焼き上がったスコーンの側面にできた割れ目“狼の口(Wolf’s Mouth)”の部分に軽く爪を立て、上下に2つに割る。
ナイフで割ってもよい。皿の上のスコーンを傾けてしっかりと持ち、狼の口からナイフを入れて、上下2つに割る。
クロテッドクリームとジャムは人数分まとめて出されることも多い。付属のスプーンを使い、まず自分の皿に取り分ける。
ジャムが先かクリームが先かは、意見が分かれるところ。上写真はクリームが温かいスコーンで溶けないようジャムを先に塗るコーンウォール式。エリザベス女王もこの塗り方で、ある調査によるとイギリス人の9割がこの方式。
こちらはクリームが先のデヴォン式。
新宅久起さん(しんたく・ひさき)「スリーティアーズ」オーナー。30年以上にわたってイギリス専門誌の編集長を務め、2019年に目黒にティーサロンをオープン。2023年に京橋に移転。英国展などの催事への出展も行っている。
目黒の洋館から京橋へ。ショップも併設
スリーティアーズ
築85年の洋館で営業していた完全予約制のティーサロンを閉め、2023年秋、東京駅にも近い京橋に移転。催事の出店で大行列ができるスコーン、ケーキがイートインとテイクアウトで気軽に味わえるようになりました。店内で楽しむクリームティーもおすすめ。
スリーティアーズ住所:東京都中央区京橋1-5-8 三栄ビル1階
TEL:03(6225)2414
営業時間:12時~18時
定休日:月曜~木曜 ほか不定休あり(営業日時はHPで要確認)
(次回に続く。
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