大自然と美味を謳歌する ニュージーランド 再発見の旅 北島と南島が縦に連なり、周囲の海にも多くの島々が点在。彩り豊かな四季があり、ホスピタリティにあふれる人々が暮らすニュージーランドは、私たち日本人にどこか近しい想いを抱かせる国です。そして時差が比較的少なく、心穏やかに過ごせるエリアというのも、旅先を選ぶうえで、とても大切なポイント。氷河の広がる壮大な大自然、コロニアル時代の面影が残る風景、豊かな自然から生まれる上質なワインや美味──。知っているようで知らないニュージーランドの多彩な魅力を、今改めてご紹介します。前回の記事はこちら→
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北島のオークランド港からフェリーで40分ほど。風光明媚なリゾートアイランド・ワイヘキ島は、30軒以上のワイナリーが点在する「ワイン島」でもあります。コルマンデル半島とオークランドに抱かれるようなロケーションのため気候が温暖で、土壌も多彩で個性的。かつてはアーティストの島として知られていましたが、20世紀末頃から若きチャレンジャーが次々とワイナリーを開業し、徐々にその名が広まるようになりました。
島中央部のオネタンギは、島内でも高級ワイナリーが建ち並ぶエリア。「このあたりは地質も気候もボルドーに似ているんです。オリーブの木々などが揺れる風景もどこかフランスを思わせるでしょう?」と醸造責任者のマーティン・ピカリングさん。ヨーロッパのワイン文化に憧れた創業者が手探りで開墾してから40年余、エレガントな赤ワインが魅力のこの一軒は、「ぜひ訪れるべきワイナリーの一つ」として英国ワイン誌にも取り上げられるようになりました。ストーニー尾リッジ根を望むように設けられたレストランやオープンエアのカフェも居心地よし。
80 Onetangi Rd,Onetangi Valley Waiheke Island
https://stonyridge.com/
眺望も抜群なテラスでテイスティング
Mudbrick Vineyard(マッドブリック ヴィンヤード)
海を望む斜面に広がるぶどう畑には、シャルドネやピノグリ、カベルネソーヴィニヨン、プチヴェルドーなど多彩な品種が栽培されています。観光ヘリコプターも到着する丘からは、オークランドのスカイタワーまで見晴らせる絶好のロケーション。ウェディングでも人気というレストランやルーフトップバー、ショップなどが充実しているのも嬉しいポイントです。「島のワイナリー巡りをするなら、シャルドネ、シラー、ボルドーブレンドの3種を飲み比べると楽しいですよ」とセラードアマスターのジュリー・ムイソーさんから素敵なアドバイス。
126 Church Bay Rd,Oneroa Waiheke Island
http://www.mudbrick.co.nz/
洗練のワイナリーでエレガントな赤ワインを
Tantalus Estate(タンタラス エステート)
「タンタラス」とは、19世紀の英国の貴族などの間で流行した、ワインを保存する鍵付きのデキャンタケースのこと。その鍵をモチーフにしたオブジェがゲストを迎えるこのワイナリーは、モダンな雰囲気にあふれる一軒です。環境に配慮したぶどう畑から併設のレストラン、そしてワインボトルまですべてがスタイリッシュ。自慢のボルドータイプの赤ワインも、ふくよかな香りとエレガントなタンニンが感じられる洗練の味わいです。世界各地で活躍したシェフが腕をふるうレストランも注目を集めています。
70-72 Onetangi Rd, Waiheke Island
https://tantalus.co.nz/
●オークランドからワイヘキ島へのヘリコプターツアーも
HELETRANZ HELICOPTERS
https://www.heletranz.co.nz/
撮影/大泉省吾 取材・文/露木朋子 コーディネート/Cameron Bennett〈NZ NETWORK〉 * 1NZドル=98.47円(2024年7月9日現在)。日本との時差は通常は+3時間。