〔特集〕藤野幸信さんの素敵なアレンジメント 春を呼ぶ 美しき贈り花 「フルール トレモロ」の藤野幸信さんの贈り花は、日本各地から取り寄せたクオリティの高い花を使い、ナチュラルでエレガントな世界を表現して人気を集めています。家庭画報ドットコムの人気連載「
季節の贈り花」から、今回は春の到来を告げるアレンジ&ブーケをご紹介します。
前回の記事はこちら>>・特集「春を呼ぶ 美しき贈り花」の記事一覧はこちらから>>
【チューリップ】
シックな色も素敵。春の到来がストレートに伝わる花

一重咲きと八重咲き、2種の赤い花を束ねて
一重咲きの「オスカー」と八重咲きの「レッドプリンセス」、花形が異なる2種の赤いチューリップを束ねたブーケ。赤だけというインパクトの強さに、表情の違いがより印象的な仕上がりになる。
チューリップといえば子どもから大人まで、誰もが春をイメージする花。これだけ広く春の花として認識されている花は、あまり見当たりません。その個性的な花形は、主役、脇役のどちらに使っても存在感抜群です。
甘いピンクがエレガントな八重咲きの「マリアージュ」は、フランス語で結婚の意。使い勝手のよい品種で、どんな花色にも合わせやすく、しかも個性的な花形がアクセントとなる。

横から見ると王冠のような形、クラウン咲きの「イエローピクチャー」。花びらの先端がねじれて丸みがあり、とてもかわいらしい印象で、温かみのある黄色も魅力的。
さまざまな花形があるうえ、花色がとても豊富なのもチューリップの大きな魅力です。最近では少しくすんだシックな花色も増え、大人っぽい雰囲気の贈り花にも使えます。
八重咲きの「グレイ」は、花びらの内側が濃い紫、外側はごく淡い紫から白というリバーシブルが魅力的。華やかながら落ち着きもある花色で、大人っぽい表情がある。

つややかで落ち着いたワインレッドの色合いが妖艶な雰囲気を醸し出す八重咲きの「ブラックダイヤモンド」。大人っぽくシックな趣で、アンティークな雰囲気の贈り花によく似合う。
蕾が確実に咲くので、ふんわりとほどけてくる過程が楽しめます。日差しが当たると花びらが開くことはよく知られていますが、実はアレンジのためカットした後も茎が少しずつ伸びてきます。アレンジの形も少し変わってしまうのですが、その変化もまた楽しみです。
藤野幸信さん「fleurs trémolo (フルール トレモロ)」オーナー。広島大学大学院理学研究科生物科学専攻を修了後、花の道へ進んだという異色の経歴の持ち主。『家庭画報』の表紙の花制作を担当する一人。著書に『大切な人への贈り花』(世界文化社刊)がある。
fleurs trémolo(フルール トレモロ)住所:広島市南区段原1-5-7
TEL:082(261)3970
(次回へ続く。
この特集の記事一覧はこちらから>>)