エンターテインメント

「舞台の“生”という価値は揺るがない」高畑充希さんが挑むミュージカルへの想い

2025.03.21

  • facebook
  • line
  • twitter

今月の人 高畑充希さん

映画『ウェイトレス~おいしい人生のつくりかた』をベースに、女性クリエイター陣による脚本、音楽、演出、振付で製作され、大好評を得たブロードウェイミュージカル『ウェイトレス』。このキュートでパワフルな愛すべき作品の日本キャスト版が、4年ぶりに再演されます。

岐路に立つ女性たちを応援するミュージカルコメディ

「コロナ禍ではない状況で、自分がもう少しジェナの年齢に近くなったときに、もう一度トライできたらなと思っていました。舞台に立つこと自体2年ぶりですし、とても楽しみにしています」

そう話すのは、2021年の日本初演に続いて主演を務める高畑充希さん。

米国南部の田舎町のダイナーで働く、パイ作りが得意なウェイトレスのジェナを演じます。初演では、束縛が激しいダメ夫との生活に息苦しさを感じていたさなかに妊娠に気づき、訪れた産婦人科で出会った医師と惹かれ合っていくジェナの揺れ動く心を、素晴らしい歌声と演技でチャーミングかつ繊細に表現。劇場に共感の嵐を巻き起こしました。


「『ウェイトレス』は、一人でニューヨークに行って、浴びるほどミュージカルを観ていた頃に出合った作品なんです。友達にすすめられて行ったら本当に面白くて、キャストが違う3バージョンを観ました。前回あまり気負わず挑めたのは、そのときに“演者の年齢や雰囲気によって、こんなにもジェナの印象やエネルギー感が違うんだな。自分自身を反映させながら作っていける役なのかな”と感じたことが大きいです。周りの濃いキャラクターに比べると、ジェナはそんなに個性が強くないので、今回もフラットな気持ちで臨もうと思います」

昨年は旅でリフレッシュ。近頃は子猫に夢中

観劇好きのご両親と幼い頃から劇場に足を運び、小学生のときには「ミュージカル女優になる!」と決めていたという高畑さん。いまや映像作品でも大活躍し、配信などで多様化する映像メディアの面白さを実感する日々ですが、同時に「舞台の強さ」も感じているといいます。

「たとえば、映画を3Dで観られるようになっても、その価値は“生身を観る”こととは違うところにありますよね。どれだけ技術が発達しても、舞台の“生”という価値は絶対的で揺るがない。きっとずっと残っていく一番強いものなんだろうなと思います。私にとっては原点であり、常に初心に返れる場所です」

今年は、オーディションで主演に選ばれた『山口百恵トリビュートミュージカル プレイバックpart2 ~屋上の天使』でデビューして20周年。

「去年は韓国においしいものを食べに行ったり、家族でクロアチアへ行ったり、フィリピンに短期留学したりと、仕事を離れてたくさん旅をして、リフレッシュできました」と、にこやかに話します。ちなみに近頃は、新たに迎えた子猫に夢中なのだとか。「前から飼っている猫はとてもエレガントなんですが、新しい子は暴れん坊で、自分でバーッと走ってリビングから出ていったのに、寂しくて絶叫して戻ってきたりするんです(笑)。その自分を全く管理できていない感じが面白くて可愛くて、コントみたいな毎日です(笑)」

「チャレンジしたい欲求は、自分の性格的にずっと収まらない気がします」──高畑充希さん

高畑さんを取材したのは、建て替えのために2025年2月いっぱいで閉館した帝国劇場のロビー。「帝劇には、2022年の『ミス・サイゴン』で出演することができました。何度も観ていた作品だけに感慨深くて、昔一緒に観に行っていた母もとても喜んでいました」と高畑さん。

今後の展望を尋ねると、「海外で観て面白かったものを日本に持ってきたいと思うことばかりなので、逆に日本発の作品を海外で上演したいという夢があります。海外のドラマにも出てみたいですし、アジア一丸となって面白いものを作れたらいいなと思っています」とのこと。2024年結婚を発表し、さらに輝きを増している33歳。

「チャレンジしたい欲求は、自分の性格的にずっと収まらない気がします」と語る高畑さんが4年ぶりに挑むジェナとこれからに、どうぞご注目を!

高畑充希(たかはた・みつき)
1991年大阪府生まれ。2005年に俳優デビュー、2007年に歌手デビュー。ミュージカル『ピーターパン』などの舞台で主演を務める一方、NHK連続テレビ小説『とと姉ちゃん』でヒロインを演じるなど、ドラマや映画でも活躍。受賞も多数あり、2021年の『ウェイトレス』初演では菊田一夫演劇賞を受賞。映画『国宝』が2025年6月6日より公開予定。

ミュージカル『ウェイトレス』

パイ作りが得意なウェイトレスのジェナ(高畑充希)は、妊娠を機に、パイ作りコンテストで賞金を稼いでモラハラ夫と離婚しようと決意。そんな身の上をポマター医師(森崎ウィン)に話すうちに二人は深い仲になり……。

脚本/ジェシー・ネルソン 音楽・歌詞/サラ・バレリス
原作映画製作/エイドリアン・シェリー
オリジナルブロードウェイ振付/ロリン・ラッターロ
オリジナルブロードウェイ演出/ダイアン・パウルス
出演/高畑充希 森崎ウィン ソニン LiLiCo 水田航生 おばたのお兄さん/西村ヒロチョ(Wキャスト) 田中要次 山西 惇

日生劇場(東京)
2025年4月9日(水)~30日(水)
S席平日1万5000円、土曜・日曜・祝日・千穐楽1万6000円ほか
東宝テレザーブ:0570-00-7777
※2025年5月5日(月)~29日(木)に愛知、大阪、福岡公演あり
URL:https://www.tohostage.com/waitress/

この記事の掲載号

『家庭画報』2025年04月号

家庭画報 2025年04月号

撮影/筒井義昭 スタイリング/菅沼 愛 ヘア&メイク/小澤麻衣(モッズ・ヘア) 取材・文/岡﨑 香

  • facebook
  • line
  • twitter

12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2025 / 03 / 26

他の星座を見る

Keyword

注目キーワード

Pick up

注目記事
12星座占い今日のわたし

全体ランキング&仕事、お金、愛情…
今日のあなたの運勢は?

2025 / 03 / 26

他の星座を見る