この水羊羹をご存じならば、かなりの京都通です

「京の冬」。折り箱に流して販売されます。一箱16切れで価格は時価（2018年1月では税別1700円）。現在、注文から購入まで2年待ちの状態です。

大村しげさんが愛した3種類のお菓子

田丸弥で、大村しげさんがことさら愛していたのは水羊羹「京の冬」。一般的に水羊羹は暑い時期のものと思われがちです。しかし「京の冬」は真冬の寒さを利用して天然の低温で作られる季節限定の逸品です。気候に左右されるため、1月下旬から2月初旬の間に2、3回しか作られません。

注文しておくと作られる前日に連絡があります。連絡の電話に確実に出て、さらに当日に受け取りに出向く必要があるため、地元の人でなければ、なかなか手に入れるのが難しい一品。著書『冬の台所』（冬樹社）で「カゼ気で熱があるときでも、これだけは、なんぼでも食べられる」と大村しげさんは書いています。吉田さんは、大村しげさんがご存命中は、彼女の依頼で本人だけでなくしばしば彼女の友人にもお届けしたそうです。

「白川路」は川面の波紋を唐草模様で表現した京煎餅です。ふんだんに使用した金胡麻と黒胡麻の風味がおせんべいの上品な甘さに深みを添えてくれます。薄く焼かれていて、軽やかな歯ごたえも味わいのひとつ。（3枚×8袋入り）税別600円。

「みそ半月」は代々伝わる納豆味噌に京都ならではの白味噌を加え、精進海苔で丹念に仕上げています。田丸弥ならではの技法により、膨張剤を使わず、練り加減と卵の力だけで浮かせています。（8枚入り）税別600円。