きものダイアリー

中村歌昇さんが語る、国立劇場 6月歌舞伎鑑賞教室『連獅子』

2018.05.10

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「最近はきもので劇場に足を運ぶ男性のお客様も増えてきました」


今年1月の「新春浅草歌舞伎」の公演では、「着物で歌舞伎」の日が設けられていました。

歌昇「舞台から拝見していても、お客様が皆さんきもの姿、という光景は圧巻でした。華やかですし、きものを着ると、誰もが自然と姿勢が良くなり、美しい佇まいになるのもいいですね。最近は男性もきもので観劇される方が増え、帽子ををかぶるなど素敵なコーディネートの方を見かけると嬉しくなりますね」

奥様のきもの選びや着こなしにアドバイスをすることもあるのでしょうか?


歌昇「彼女は箏曲家で結婚前からきものは着慣れていますので、僕から注文をつけたりアドバイスすることはありません。きものは、ちょっとした着付けのコツで印象が変わるもの。もちろん僕らも舞台では役によって衿の抜き方などを工夫しますが、 “こう着たい!”という自分のこだわりをしっかりと持っている妻のことは、常々スゴいなあと思っています」

そんな中村歌昇さんのお家に伝わる、きものと小物を見せていただきました。

中村歌昇さんが語る、国立劇場 6月歌舞伎鑑賞教室『連獅子』歌昇さんの曾祖母にあたる、三代目中村時蔵夫人、小川ひなさんの単衣。上品なグレー地に、藤の花の刺繍、鳥と蝶があしらわれています。

中村歌昇さんが語る、国立劇場 6月歌舞伎鑑賞教室『連獅子』こちらは、お父様の中村又五郎さんが昭和39年に中村光輝の名前で初舞台を踏んだ時に誂えた扇子。日本画家の奥村土牛画伯による薔薇の花が華やかです。

歌昇「扇子は残っていなかったのですが、原画をもとにもう一度、記念に何本か誂えたと聞いています」

写真の扇子に描かれているのは薔薇の花ですが、『連獅子』の舞台では百花の王といわれる大輪の牡丹の花が重要なモチーフとして大きな役割を果たします。きものや帯、扇子などに牡丹の花をあしらって国立劇場に足を運ぶのもお洒落かもしれません。

写真は取材会の模様。右から中村又五郎さん、中村歌昇さん、『歌舞伎の見かた』の解説を担当する坂東巳之助さん。

国立劇場 平成30年6月 歌舞伎鑑賞教室『連獅子』

出演:中村又五郎、中村歌昇、坂東巳之助、中村隼人、中村福之助

2018年6月2日(土)~6月24日(日)
11時開演/14時30分開演

※6月8日(金)は11時の回はなし、18時30分より「社会人のための歌舞伎鑑賞教室」
※6月15日(金)は11時の回はなし、14j時30分および18時30分より「Discover KABUKI-外国人のための歌舞伎鑑賞教室-」

お問い合わせ:国立劇場チケットセンター
TEL:0570-07-9900
http://ticket.ntj.jac.go.jp/

 
撮影/西山航 構成・文/清水井朋子
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