ペットと飼い主の間にある距離感を人間と人間で演じる不安
本作では、吉沢さんのほかにも「水曜日のカンパネラ」のコムアイさんらが擬人化された猫を演じており、クランクインの3週間ほど前から稽古が行われたそう。
「監督が猫に対する愛がかなり深い方なので、一つ一つの動きをつけてもらって、猫ってこうなんだよ、こういうことがあるとこうなっちゃうんだよ、ということを一から教えてもらって。それを芝居に生かしながら撮影していたので、稽古がなかったら相当厳しいことになっていた気がします」
稽古のかいあってか、もともとの能力の高さも手伝ってスクリーンの中の良男は、しなやかで軽やかで優雅で。猫そのものを思わせる身のこなしでしたが、難しかったのはそれだけではなく……。
「沙織との距離感はペットと飼い主の距離感ではあるんですけど、人間と人間が演じているので、なでられて気持ちよくなってる感じとかが変にいやらしく、気持ち悪く見えるんじゃないかなという不安がすごくありました。でも、沢尻さんが本当にペットを見ているような目で僕を見てくれたので、すごくやりやすくて。沢尻さんに感謝しています」
「どっちかというと、犬かなと思う瞬間がいっぱいあったんです」というほど、「飼い主にグイグイいく」良男。そこがまたかわいい。