撮影中も勝手に悩んでいた、「動物的ってなんだろう」
良男を演じるにあたっては、「とにかく素直に、沙織のことが好きでしょうがないという気持ちを大切にしました」という吉沢さん。ほかに意識していたことを聞くと、抑揚を抑えていたセリフの発し方に話が及びました。
「猫だし、動物的な部分がどうやったら出るんだろうと思って。あまり人間っぽく作りすぎても違うし、抑揚みたいなものをつけまくったほうが動物的なのかなとか……。いろいろ思ったんですけど、最終的に抑揚を抑えた感じになりました。でも、難しくて。動物的ってなんだろうということを、撮影しながらも勝手に悩んでたんです」
悩んだ結果、話し方よりも感情的な部分に、自分なりの“動物的”を見つけました。
「今しか見ていないということにしようって自分の中で落ち着いて。人間みたいに過去や未来に縛られていたり、それこそ前のシーンの感情がつながって今のシーンになっているとかではなくて、今この一瞬一瞬を生きていて、沙織の表情が変わったらこっちの感情もコロッと変わる。目の前のことしか見えてない、そのときだけを生きてる、そういう感じを出そうと思って、意識していました」
「一瞬一瞬のことしか考えないとか過去に縛られてないって、生きてて気持ちいいだろうなと思いながら演じていました」と吉沢さん。