エンターテインメント

吉野の森で描く命の物語。河瀨直美監督の新作『Vision』が公開!

2018.06.07

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故郷・奈良で立ち上げた「なら国際映画祭」ではエグゼクティブディレクターを務める。5回目となる今年は9月20日~24日に開催予定。

――今回もそうですが、近年“俳優ありき”のつくり方に変化してきているのを感じます。


「そうですね。『あん』をきっかけに、(樹木)希林さんが色々な方に“河瀨組を1回体験するべきだ”と言いふらしてくださっているみたいで(笑)。こうして一流の皆さんと作品づくりをさせてもらって本当にありがたいなと感じています。もちろん、全くの新人や演技経験のない方のリアリティというのもあると思うので、そこも楽しんでやっていきたいです」

――出産・育児を経験したことで、河瀨さんご自身も変化されましたね。


「変わりましたね。いい意味で、強くなりました。子供という自分以外の他者がそこにいる=自分ではコントロールできないものがあるということ。それは仕事をするうえでも同じで、自分がいくら頑張ってもできないことがあるんだなと実感したことで、あまり動じなくなりました。いい経験をさせてもらっているなと思います」

――ご自身のヴィジョン、展望を教えてください。


「映画というメディアは、自分がこの生を終えたとしても残り続けるもの。そういう意味で責任を持って、この世に映像を存在させたいと思ってやってきました。今の時代だけ流行に乗っていればいい、じゃなくて、奈良の大仏さんのように千年の単位で残してもらえるようなもの、大きなことを言ってしまうと、人類の財産になるようなものに関わっていけたらなと思います。今回、ジュリエットと一緒にやらせてもらったことで、言語を超えた感覚で共に表現できることを確信できたので、刺激をもらい、視野を広げるためにも、海外の人達と感覚を共有するようなことも、もっとやっていきたいですね」

河瀨直美/Naomi Kawase

映画監督
生まれ育った奈良を拠点に映画をつくり続ける1児の母。自主製作映画『につつまれて』『かたつもり』が山形国際ドキュメンタリー映画祭等で評価される。1997年、初の劇場映画『萌の朱雀』でカンヌ国際映画祭カメラドール(新人監督賞)を史上最年少受賞。一貫した「リアリティ」の追求はドキュメンタリー、フィクションの域を越え、世界各国の映画祭で受賞多数。2017年には、自身初となるオペラの演出に挑戦。「なら国際映画祭」を通して次世代の育成にも力を注いでいる。
公式サイト www.kawasenaomi.com
公式Instagram @naomi.kawase
© 2018“Vision”LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.

映画『Vision』
2018年/日仏/110分/シネマスコープ
6月8日(金)全国ロードショー
監督・脚本/河瀨直美 出演/ジュリエット・ビノシュ、永瀬正敏、岩田剛典、美波、森山未來、田中 泯(特別出演)、夏木マリ ほか 企画協力/小竹正人 エグゼクティブプロデューサー/EXILE HIRO プロデューサー/マリアン・スロット、宮崎 聡、河瀨直美 配給/LDH PICTURES
http://vision-movie.jp/


© 2018“Vision”LDH JAPAN, SLOT MACHINE, KUMIE INC.
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