そして最後にこちら。言わずと知れたウィーン国立歌劇場です!
ウィーン暮らしを始めて数週間たった頃、夫たちブルーマングループ一行とようやく合流できたので、待ってました!と言わんばかりに、私は、お1人様タイムをおねだりしちゃいました。
実は私はまだ一度もオペラを観たことがなかったので、せっかくなら大好きな演目を最高の劇場で観よう!と、『カルメン』を、ウィーン国立歌劇場に観に行くことにしたのです。お1人様タイムですから、もちろんたった1人で!(もしや、これは一人焼肉よりもハードルが高いのでは!?と思いつつ……)
華やかにドレスアップした品のよい紳士淑女が一堂に集う、このような場所に強い憧れを抱いていた私にとっては、まさに夢が叶った瞬間!!
そして、お1人様でも1人にしておいてもらえないのが、海外のよさです。ましてや、きものを着ていたらなおさらで、休憩時間も常に誰かが話しかけてくれます。「きもの」またの名を「お喋り好きホイホイ」、私はそう呼びます(笑)。
公演の合間も、隣に座っていたイギリス紳士とずーっとお話ししてたのですが、彼が、「日常的に民族衣装が着られるってステキだよね、イギリスにはそんな文化がないからなぁ」とおっしゃる。そこで私が「あら?スコットランドのキルトは?私の友人は、私たち夫婦の結婚式にあの伝統衣装のスカートをはいてきてくれたんだけど」と言うと、「あれは観光用だよー!もう普通にはく奴なんていないから!」と笑ってらっしゃいました。もしそれが本当なら、日本の結婚式でわざわざあのスカートをはいてくれた友人は素敵だな、お祝いの気持ちを民族衣装を纏うことで表現してくれたんだなと、改めて嬉しい気持ちになりました。
相手への思いやりや、大切に思う気持ちを表現できる民族衣装。
きものを着ることで周りの方が笑顔になる理由は、ここにあるのかもしれませんね。最高の劇場で観たオペラが最高に素晴らしかったのは言うまでもありませんが、民族衣装の持つパワーを改めて気づかせてくれた、ウィーンでのオペラ鑑賞となりました。
心ときめくウィーンでの暮らし。次回は、街中で見つけた素敵なきもの屋さんでのエピソードをご紹介します。皆さま、どうぞお楽しみに!