湿地をつくるために、移植を続ける日々
アトリエで育った植物を農地へ移植することが私の基本。頭の中に完成の図面ができあがっていて、環境づくりは、今まで育ててきたアトリエの植物を土台にしたいという希望がある。
水辺の植物も、できるだけアトリエの池の植物を株分けして増やしている。池の中に入ってスコップ で根を部分的に掘り起こす。ちょっと乱暴にみえるが、勢力のある群落は、少々の面積をとりのぞいてもすぐに復活するので心配ない。
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完成した湿地に雨水がたまったところ。もともと田んぼだったので、池づくりはやりやすい。自然に水辺の植物が生えている場所は、湿地づくりに適している。農地の中に、こんな場所が2箇所あった。2、3年後、果たして、どんな湿地になるだろうか。かつて光の田園にいた常連のお客さんたちが、勢揃いしてくれることを祈りたい。
(次回は9月4日更新予定です。お楽しみに。)
今森光彦
1954年滋賀県生まれ。写真家。 切り絵作家。
第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。
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