里山の日常を見守る、多様な野仏
農地の敷地内では、野仏が数体みつかった。ほとんどが落ち葉の中に身を隠していた状態だ。
野仏は、道にそってあったので、かつてはそこに小道があって人が行き来していたのだろう。
これらの野仏は丁重に扱い、開墾したあとにつくる道のふさわしい場所に移設しようと思う。 ひとつは、迷うこと無くヤマザクラの幹元に設置した。
隣接地にあった山の神もそうだが、祈りの空間は、里山にとっては宇宙軸のようなもの。 美しい風景が守られてきたほんとうの理由は、ここにあるのだろう。
土手でみつかった野仏。ブッシュの中に隠れていたもの。新しくつくった道に面していたので、そのままの場所に設置することにした。竹林に隣接した放置された状態のヒノキ林の縁でみつかった野仏。半分落ち葉に埋もれている。農地の隣にあった山の神。秋には、小さなお祭りがあって、地元の農家の人たちが集う。これまでの記事はこちら>> 今森光彦
1954年滋賀県生まれ。写真家。 切り絵作家。
第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。
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