「映画を通じて、青春時代を追体験した ような感覚になりました」――広瀬すず
夢や希望を持ち続けてはつらつと生きていきたい
篠原:友達のことでいえば、私は小さい頃ね、実は引っ込み思案で父親の後ろに隠れているような子だったの。歌手になる夢はあったんだけれど、その夢を支えてくれたのが友達だった。いつも、励ましてくれて背中を押してくれたんだ。おかげで、何でもやろう!っていう気になれた、殻を破れたの。
広瀬:私もそうです。人見知りでおとなしくて、喋るのが苦手で。いつもお母さんの陰に隠れてました。
篠原:まあ、2人して(笑)。どうやって変わってきたの?
広瀬:私の場合は小学校から始めたバスケットボールの先生のおかげです。もう死ぬほど怖いコーチで、毎日、号泣しながら練習して根性がついたというのか、それで“メラメラ感”を知って(笑)。
篠原:やっぱり人って、人に支えられて生きているんだよね。奈美も、『サニー』の仲間も、大人になったからこそ見えた景色、わかる感情があった。
広瀬:篠原さんも、大人で凜とした、カッコいい女優さんです。
篠原:それは演技の中だけかも(笑)。でも、すずちゃんはどこか少年っぽくも見えたり、本当に魅力的。これからもっと変わっていく女優さんだと思う。この映画は生きているとつらいこともあるけれど、夢や希望を持って毎日を生きていこうっていうメッセージが込められている。私も40代になって、さらに夢を持つ大切さを感じるようになりました。人間って、夢があるから悩みもするけれど、失ったらだめ。私も先輩の50、60、70代……の、はつらつとした女性たちにはすごく励まされるの。皆さん、おしゃれで素敵ですしね。すずちゃんは、何か、目標にしていることとかある?
広瀬:1年前からキックボクシングを始めて、ジムに通っています。もうスカッと気持ちよくて。今、アクション映画がやりたくてたまらないんです。
篠原:私はヨガを13年ぐらい続けてる。でも、いちばん幸せなのは、子どもと過ごしている時間かなあ。いつかお母さんになりたい気持ちとか、ある?
広瀬:あります(笑)。でも今はまず自分のことを一生懸命やって、自分の道を切り拓いていかなくては。私、決断力がなくて、流されるんですよ。
篠原:え?
広瀬:この仕事も運命に導かれるように始めることになって、いまに至るという感じで。私、自分の人生で、大きなことを自分で決めたことがまだないんです。20歳になって、これからは間違っても挫折してもいいから、自分の力で決断していきたい、そう思っているんです。
篠原:(女優という職業で)もう、確実に前を向いて進んでいるじゃない。大丈夫、大丈夫!
篠原涼子/Ryoko Shinohara
1973年、群馬県出身。90年、デビュー。以降、ドラマ、映画で主演女優として活躍する。代表作に『アンフェア』『ハケンの品格』『ラスト♡シンデレラ』ほか。11月、映画『人魚の眠る家』公開予定。
広瀬すず/Suzu Hirose
1998年、静岡県出身。2012年、雑誌モデルとしてデビュー後、翌年、女優としてデビュー。ドラマ、映画、CMと活躍する。代表作に映画『海街diary』『ちはやふる』『怒り』『三度目の殺人』など。
(c)2018「SUNNY」 製作委員会『SUNNY 強い気持ち・強い愛 』8月31日(金)全国東宝系ロードショー 2018年 119分
監督・脚本/大根 仁 音楽/小室哲哉
出演/篠原涼子、広瀬すず、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美、池田エライザ、山本舞香、野田美桜、田辺桃子、富田望生、三浦春馬、リリー・フランキー、板谷由夏
撮影/増田 慶 取材・文/水田静子 ヘア&メイク/贄田 愛(篠原さん)牧田健史(広瀬さん) スタイリング/宮澤敬子(篠原さん)丸山 晃(広瀬さん)
「家庭画報」2018年10月号掲載。
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