今年でデビュー35周年。変わらぬ歌声を届けます
「先に撮影? ここに座ればいいのかな」
所属事務所の会議室にするりと入ってきたかと思うと、そういって椅子に腰かけ、こちらに真っ直ぐ目を向けた藤井フミヤさん。そのなんと自然で軽やかで、粋なこと!
チェッカーズのリードヴォーカルとして、数々のヒット曲を世に送り出すとともに、ファッションや言動でも多くの若者に影響を与えたポップスターは、今年、デビュー35周年。さらに、ミリオンセラーを記録した「TRUE LOVE」でソロデビューして、25周年を迎える。
7月には、ソロベストアルバム『FUMIYA FUJII ANNIVERSARY BEST “25/35”』を、2つのレコード会社からリリースした。
左がアルバムの「L盤」(PCCA-50302)、右が「R盤」(MHCL-30518)。ともに3枚組で3500円(税込み)。ソロデビュー以降に発表した277曲から、ファンのリクエスト投票をもとに100曲をピックアップ。そのうち50曲が“L盤”(ポニーキャニオン盤)、もう50曲が“R盤”(ソニーミュージック盤)に収録されている。
「インターネットで、1人10曲ずつリクエストしてもらいました。きっとファンの人たちは、投票のために棚からCDを出して聴き直したり、歌詞を読み直したりしたはず。
曲にまつわるそれぞれの思い出も甦って、それこそアニバーサリーにふさわしい、楽しい作業になったんじゃないかなと思っています」
意外なのは、そこから選ばれた100曲が、原盤権にこだわらずシャッフルされ、レーベルの垣根を越える形で分けられた点。
「確かに、異例といえば異例なスタイルでしょうね。でも、そもそも藤井フミヤというポジション自体、芸能界ではちょっと変わった場所にありますから(笑)。
作詞や作曲もするミュージシャンだけれども、以前は俳優もやっていたし、デザインやプロデュースの仕事もしていました。昔から音楽だけじゃなく、洋服やグラフィックも好きでしたね」