役として歌う歌と古川雄大として歌う歌
「ミュージカルでもポップスっぽく歌いたいと思っているんです。でも、作品によるんですよね、歌い方も。例えば、『エリザベート』はクラシックの発声で、『ロミオ&ジュリエット』はポップスに近い。その上で、ミュージカルの楽曲は、“セリフとして言う”という意識でいます。その意識があるから、ライブでミュージカルの楽曲を歌っても発声が違うって言われるのかもしれません。セリフのように歌っちゃっているなと、どこかで感じてはいます」
今回のライブが行われるのは、ミュージカル『マリー・アントワネット』の愛知公演後、大阪公演までの間。当然リハーサルも舞台と同時進行に。それだけに「大変です」と古川さん。というのも、ミュージカルとライブで歌うのは同じ“歌”でもまったく違う歌であり、さらにマイクも異なります。ライブのハンドマイクは口との距離で音量の調整ができますが、ミュージカルで使うワイヤレスマイクは声として出す前に調整しなければなりません。
「感覚が全然違うので、切り替えが難しいんです。ずっとワイヤレスだと慣れるんですけど、そこに1回ハンドマイクを挟むと感覚がすぐに戻ってしまって。ハンドマイクでもワイヤレスと同じように調整すればいいんですけど、そうすると自分の好きな声が出ないんです」
「いろいろ学んできましたけど、未だに歌のことを何もわかっていない。コンディションが違う中、毎日100点出せる人を尊敬します」