「48年間ずっと変わらないのは、“反骨精神”ですね」
笑顔で小気味よく語る野口さん。その語気が強くなったのは、アイドル時代の葛藤について話してくれたときでした。
「僕はスターに憧れてデビューしたのに、アイドルになってしまったんです。アイドルというカテゴリーは僕の頃から始まったと思うのですが、自分からすると“プロ歌手予備軍”。
スカウトでデビューした同世代のアイドルには、歌はどうでもいいような人もたくさんいました。『僕は別』と思いたかったけれど、世間的には同じカテゴリー。反発心、反骨精神しかないわけです」
「楽屋やスタジオではいつも、五木さんや布施(明)さんら先輩のそばでにいて、音楽の話を聴いたり、みなさんの歌を聴いて節回しをまねしたり、一生懸命勉強しました。全部、反骨精神ゆえです」
トップアイドルとしてもてはやされていた時代に、そんな葛藤を抱えていたとは驚かされます。 2018年5月に亡くなった西城秀樹さんは、そんなアイドル時代をともに駆け抜け、互いが結婚した後も家族ぐるみのつきあいをしていた特別な存在でした。