夏の花の最後の美しさを愛でる
ガーデニングエディターの高梨さゆみです。過ごしやすい季節になり、どこかに出かけたい気分になりますね。毎週更新の花と庭を愛でる旅情報、今回はこの夏に見逃していた美しい景色を堪能できる庭をご紹介します。
仕事柄、盛夏の7月〜8月も庭めぐりに出かけますが、炎天下の庭は体力的にも厳しく、正直あまりおすすめできません。でも、そんな酷暑の中でも庭を管理するガーデナーさんたちは、ひたむきに作業を続けています。水やりはもちろん、草むしり、草丈の高くなった花の切り戻し、芝刈りなど、この時期にやらなくてはいけない作業は山ほどあります。
作業を怠らず、しっかり管理している庭では、暑さが一段落した9月〜10月上旬に、夏のダメージから回復した花々が再び美しい姿を見せてくれます。秋の風情が色濃くなる前の美しい庭を、私はラストサマーガーデンと呼んでいます。夏の間のガーデナーさんたちの、頑張りへのご褒美のような美しい庭を、ぜひ愛でにお出かけください。
ガーデニングミュージアム花遊庭のボーダーガーデン。私が訪ねた年は、燃えるような赤がテーマカラー。
【連載】旬を愛でる花旅 ・庭めぐり 9月～10月の名所[第1回]儚いからこそ美しい、リコリスの魅力を堪能[第2回]これから見頃を迎えるフヨウを愛でに出かけませんか?[第4回]花色冴えるダリアは秋の庭の主役→花の名所をもっと見るドラマチックなボーダーに心ときめかせて
夏の間もしっかりと管理ができている素晴らしい庭の一つが、愛知県豊田市にあるガーデニングミュージアム花遊庭です。1300坪の敷地内にナチュラルガーデン、イングリッシュホワイトガーデン、コテージガーデン、ローズガーデン、フラワー＆ローズガーデン、現代感覚の和庭など、28ものテーマガーデンがあり、自分の庭のスタイル探しの参考になるのが、この庭の特徴です。そしてこの庭の植栽、メンテナンスを担当しているのが、NHK「趣味の園芸」の講師としてもおなじみの天野麻里絵さん。
