“初秋の赤”に出会う
天野さんの、ときに繊細ときに大胆な、センス抜群の植物コーディネートは、どの季節も見応えがありますが、今回おすすめするラストサマーガーデンは特に秀逸。芝生の庭を取り巻くボーダーガーデンは、毎年、植物の組み合わせは変わりますが、入り口から白、ピンク、そして赤と、テーマカラーは決まっています。
特に魅力的なのがピンク&レッドボーダーで、ハッとするほど鮮やかで、しばらくは記憶に残るインパクトがあります。ベゴニアやコリウスなど、夏の庭の赤は、とかく暑苦しく感じがちですが、初秋の空気の中、斜めからの日差しを浴びる赤は、なんともドラマチックで大人のエレガントさが漂います。
燃えるように赤い葉はコリウス‘レッドヘッド’。手前のかわいいピンクのベゴニアは‘ボンボリーナ キャンディピンク’。
ところどころに加えられたライム色のリーフ類、そしてシックな赤葉のペニセタム・セタケウムなどのグラス類がボーダー全体にメリハリと軽快な動きを与え、これは真似ようとしてもなかかなできない天野さんならではのセンスだと感心しきり。元気を取り戻した花たちの力強い競演が、心を揺さぶる景色を生み出しています。
シックな赤葉に長い穂を揺らすペニセタム・セタケウム‘ファイヤーワークス’。夏の暑さにも強いグラス類は最近のガーデニングの注目アイテム。