犬童監督を「さすがだな」と唸らせた、才能ある俳優たち
役のキャラクターを立たせ、それを演じる俳優も魅力的に見せるためにアイディアを盛り込んでいく犬童監督。それに対する俳優陣のパフォーマンスに犬童監督は「さすがだな」と唸ります。
「春之介と於蘭の関係を描いていくときに、どうしても2人がどこかでコミュニケーションを取って、心を通わせるという場面が欲しいと思ったんですけど、なかったんです。それで、（春之介が）みんなの前で“引っ越しは戦でござる！”って言う前に、何も言えなくなって1回高畑さんを見て、励まされるシーン。そのシーンのリアクションは高畑さんが考えたんです。僕は“目でうなずくだけでもいいんだけど、ほかに方法があればそれでいい”って預けてしまう。こっちが考えつかないことをしてくれるから、才能がある人には預けたほうがいいんですよ。リハーサルで胸に手をあてたのを見たとき、“高畑充希、さすがだな”と思いました」
高畑さんのみならず、星野さんにも「あそこまでやるとは思ってなかったんですけど、あんまりにもうまくて。僕が想像していたものをまったく超えて素晴らしいんです、演技が」というシーンがあり、高橋さんにも「リハーサルのときに“監督、この上に乗ったらダメなんですかね？”みたいに言われて」動きを変えたシーンがあり、「そのときにさすがだなと」思ったそうです。
鷹村が雄叫びをあげる場面が好きで、何度も観たのに「そのシーンか観たくて、完成披露試写会のときも観ちゃった」と笑う犬童監督。
