Tips2
屏風を立てて室礼の場をつくる
屏風は日本人の知恵がつまった生活道具の一つ。視線を遮ったり、空間を仕切るという実用的な目的以外に、部屋の雰囲気づくりにも役立ちます。多美保さんも、簡易的に室礼の場をつくるのに活用しているそう。普段置いているテレビに替えて、屏風を立てるだけでパッと場の雰囲気が変わります。「片方は草花、もう一方は瓢箪の柄。両面で使えるように仕立てて、季節や行事に合わせて使い分けています」。シックにまとまりやすいよう、色を抑えた一隻です。重心が低く直線が横へと広がるデザインのローボードも、屏風を置いて高さを出すことで高低差のバランスがとれ、椅子に座ってくつろぐ洋室のリビング空間の中でも違和感を感じさせない和の室礼が完成します。
屏風の裏面は銀色で草花の柄が描かれている。
Tips3
洋のアイテムに和の要素を見いだす
和の趣をつくるといっても、飾るアイテムは日本のものばかりではありません。ローボードの左右に置かれたテーブルランプはイタリアで作られたものですが、和を意識してコーディネートすることで、その直線的なデザインは行灯のようにも見えてきます。「ヨーロッパのブランドでは、東洋をテーマにデザインされたものが多く作られています。そういったアイテムは、和の雰囲気にも合わせやすいですよ」と言いながら、多美保さんは右のランプの足元にスペイン製のキャンドルスタンドを置きました。洋のアイテムの中に和の要素を見いだして上手く取り入れるのが、多美保さんらしい和モダンコーディネートのポイント。左のランプのすぐ隣には、モダンなフォルムが美しい鉄瓶をデコレーション。ランプの直線的で端正な表情がより強調されました。
職人技が光るイタリアの照明器具ブランド「アンナ・ラーリ」のランプ。すっと伸び上がった持ち手が特徴的な鉄瓶は、金沢在住の作家・坂井直樹さんの作品。手前は観葉植物のポリシャス。