照明によって浮かび上がった煌めく雲母の瓢箪柄に、利休草が美しい影を落とす。
Tips4
しっとりとした空気感を陰影で加える
「いつも座っている椅子に腰掛けて、ポリシャス越しに照明を眺めるのが好きなんです」。多美保さんに言われた席から見てみると、やわらかな照明の灯りの中に観葉植物のうねりのある個性的な枝の陰影が、しっとりとした景色を描き出しています。屏風の前の、炭で作られた花器に挿したのは利休草。蔓の先を屏風の上に掛けて、流れるような繊細なラインを引き出しました。ふわりと這わせた葉が屏風に影を作っている様子は、どこか儚げな風趣が漂います。秋の夜は、あえて部屋全体の照明を少し落として、光と影が織りなす日本的な美しさを楽しみます。
横瀬多美保/Tamiho Yokose
インテリアスタイリスト
東京都生まれ。テーブルコーディネーター、インテリアスタイリスト。テーブルコーディネーターの故クニエダヤスエ氏に師事。女性誌や料理本、百貨店のディスプレイなどのスタイリングに携わる。新旧、和洋を自在に織り交ぜた、モダンでエレガントなコーディネートに定評がある。『家庭画報』とのおつきあいは30年近く。流行や時代の変化をしなやかに受け止めながら、幸福感漂う美しい暮らしを提案し続けている。
『テーブルコーディネートから始まる 美しい暮らしのインテリア365日』 2019年10月2日発売!
『家庭画報』をはじめとする女性誌で活躍する、インテリアスタイリスト・横瀬多美保さん。ご自身の1LDKでの暮らしを1年間にわたり追った『家庭画報.com』の人気連載が、ついに一冊の本になりました。コーディネートの組み立て方、“自分らしい”空間の作り方も初公開! 今すぐ活用できる暮らしのtipsが満載です。