3.亀屋良長
京都にとって梅は春を告げる花。ポップな包装の中に、伝統の技と味を伝授する干菓子が。手にした瞬間に笑みがこぼれる、早春を告げる愛らしい干菓子「寒紅梅」
四条通を烏丸から西へ、堀川通にさしかかる手前、醒ヶ井(さめがい)通という細い通りの角にある創業210余年の菓子司「亀屋良長」。歴史と伝統のある老舗ですが、テキスタイルやショコラトリーのブランド、人気キャラクターとコラボレートしたり、洋菓子感覚で和菓子を表現するなど、常に新しい菓子作りに挑戦しています。
暦シリーズの「寒紅梅」800円(税込み)。2月下旬まで販売。賞味期間30日(常温)。贈り物にも喜ばれる華やかなパッケージ
干菓子の暦シリーズもそのひとつ。春夏秋冬をテーマにする落雁のお菓子ですが、今の感覚に合う詰め合わせにしています。冬限定の暦は、愛らしいパッケージやデザインがひときわ目を引く「寒紅梅」です。梅の形をした、口どけのよい和三盆糖入りの押物で、もち米のポン菓子を軸にした金平糖のような“ゆかり”とともに、小箱に詰めています。
伝統的な和菓子のほか、洋菓子のエッセンスを取り入れたお菓子などが並ぶ店内。和菓子の枠にはまらない自由さ、それでいて季節感や歳時を大事にした、贈る人も贈られる人もほっこりとするお菓子。かさ張らず、日持ちもするのでプチギフトや心ばかりの京土産に重宝しそうです。
亀屋良長
京都府京都市下京区四条通油小路西入柏屋町17-19
電話 075-221-2005
営業時間 9時~18時
定休日 なし(年始を除く)
今回は冬限定のお菓子でしたが、京都には春や夏の限定も多く、味も形も季節感たっぷり。お出かけの前にリサーチしておくと、より深い京都の味に出合えそうです。
西村晶子/Shoko Nishimura
京都の老舗から新店まで、食を取り巻く文化などを独自の目線で取材。20数年、『家庭画報』の京都企画を担当し、さまざまな記事を執筆。
撮影/内藤貞保(「白」)