患者の意思を尊重しながら医療を実践することを重視する
一方、「気軽にかかりにくい」という声を受け止め、患者の利便性を高めるためのサービス向上にも力を注いでいます。診療体制を見直し、半数の診療科では予約翌日に初診を受けられるように改善しました。
また、治療や療養にかかわる困り事にワンストップで対応できるよう総合患者サービス部を新設し、相談窓口を一か所に集約しました。
こうした取り組みを支えているのが“患者ファースト”の方針です。「患者さんの意思を尊重しながら医療を実践することを診療目標の一つに掲げています」と瀬戸先生は説明します。
〔患者の声に耳を傾け、サービスの向上に生かす〕院内に置かれている「ご提案箱」には患者や家族から毎年1000件前後の投書が寄せられる。投書は週ごとに集計し、内容を整理して職員で情報共有する。そして、患者ファーストのよりよい医療を実現するうえで医療側の視点だけでは不十分だとの思いから患者の声にも真摯に耳を傾けます。
「厳しい指摘も多いですが、当院に寄せられた貴重な意見は診療現場にもフィードバックし、医療の質の向上に生かしています」。
東京大学医学部附属病院は、160年余りの歴史と伝統の上に甘んずることなく、未来を見据え、常に進化し続けます。