ピクトグラムとは「気持ちの形」
手を繫いで応援のポーズ。このシルエットをそのままピクトグラムにしてもいいかも?松岡 ピクトグラムはこれから世界中の人々に広がっていきますね。
廣村 みなさんが受け入れてくれたら嬉しいですね。最近ときどき見かけるんですよ、ピクトグラムのTシャツを着ている人とか。話しかけたくなって困ります。
松岡 あはは(笑)。僕もオリンピックのお土産に、全ピクトグラムが載ったTシャツは必ず買いますよ。最後にお尋ねします。廣村さんが思うピクトグラムとは、どういうものでしょうか。
廣村 そうですね。僕はスポーツというのは、自分を乗り移らせる対象のような気がしているんです。先日のラグビーワールドカップもそうでしたが、観ている人も力が入って、一緒に喜んだり、悲しんだりできる対象。
ですから、スポーツピクトグラムは、みんなの気持ちが込められる形、「気持ちの形」でありたい。そんなふうに思いますね。
「ぜひ、“応援”を表すピクトグラムも作ってください!」── 松岡さん
松岡 気持ちの形、ですね。廣村さんにお願いがあります。応援する人の気持ちを形にしたピクトグラムを作っていただけませんか。
廣村 あ! いいかもしれませんね。それを見ることで、観客も参加している気持ちになれそうですね。
松岡 絶対にいいです! 応援のピクトグラムを見たら、選手たちも、「応援してくれている人がいるんだ」と励まされると思うんです。
廣村 どんな形がいいか、ちょっとチャレンジしてみます。
松岡 ぜひ! 楽しみにしています。
修造エール
廣村さんはピクトグラムを作るなかで、パラリンピックへの関心が高まったそうです。競技自体の面白さとともに注目したのが、スポーツ義足など選手たちが使う器具でした。
「パラリンピックは選手自身と器具の両輪で成り立っているので、テクノロジーの進化も促しています。そう考えると、その恩恵は計り知れないと思うんですよね。ぜひ、盛り上がってほしいです」とおっしゃっていました。
まさに僕と同じ思い!だからこそ、このピクトグラムにはパラリンピックの魅力が凝縮されているんだと思いました。
パラリンピックのピクトグラムは1964年大会には制作されなかったもの。廣村さんたち開発チームが改良を重ねて作り上げた23種類のピクトグラム、ぜひ見て、感じてください。
松岡 修造 SHUZO MATSUOKA
1967年東京都生まれ。86年にプロテニス選手に。95年ウィンブルドンでベスト8入りを果たすなど世界で活躍。現在は日本テニス協会理事兼強化本部副本部長として、ジュニア選手の育成とテニス界の発展に尽力する一方、テレビ朝日『報道ステーション』、同『TOKYO応援宣言』、フジテレビ『くいしん坊!万才』などに出演中。近著に日めくり『まいにち、新・修造!』。東京2020オリンピック日本代表選手団公式応援団長としても活動中。
公式サイト>>※ 廣村正彰さんの「廣」の字は正しくは、マダレの中が「黄」です。 撮影/鍋島徳恭 スタイリング/中原正登〈FOURTEEN〉(松岡さん) ヘア&メイク/大和田一美〈APREA〉(松岡さん) 取材・文/清水千佳子 撮影協力/廣村デザイン事務所
『家庭画報』2020年3月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。