Tips2
瑞々しさを与える小さな花あしらい
テーブルに瑞々しい表情を添えるのに欠かせないのが、フルーツや花などのアイテムです。多美保さんは、重箱の蓋や折敷に窪みを作って水がはれるようなデザインを考えました。「いつもグリーンか小さな花をあしらうことが多いです。今日はシダとワックスフラワーですが、桜の小枝や、小花が集まった紫陽花なども可愛らしいんですよ」。ほんの小さな花あしらいを加えることで、折々の季節感やその日のテーマを表現しているのです。豪華なフラワーアレンジメントでなくても、さりげないひと枝ひと花に、おもてなしの心を込めて……そんな日本的な美意識が生かされています。
開けたときの楽しみがあるのも重箱の魅力。吹き寄せなど、季節感ある和菓子をセレクト。チェアクッションも竹柄にして和の雰囲気を演出。
Tips3
おもてなしにぴったりの蓋付きの器
「重箱のように蓋がついているテーブルウェアは、あらかじめ盛り付けておけますし、場合によっては冷蔵庫にもそのまま入れておけるという機能面からも便利です。慌てずにゲストをお迎えできますから」と多美保さん。さらに、「中に入っているものが見えない分、開けたときのサプライズ感があるのも魅力です」とも。 “通年お重”の蓋を開けると、秋を感じさせる和菓子がずらり。どれをいただこうかしらとワクワクした気持ちを誘います。ハレの日のご馳走はもちろん、春には可愛らしい手毬寿司を入れ、夏には冷たい前菜を涼やかに盛るなど、多美保さんは中に入れるものや合わせるアイテムを替えて“通年お重”を使っています。
口径に合わせて、ティーカップの蓋も中川木工芸比良工房でオーダー。和菓子にも似合うデザインが気に入っているカトラリーは「クリストフル」製。