〔「患者さんに優しい外来」を目指し利便性と快適性を追求した空間に〕新外来棟1階にある愛宕下通りエントランスホール。以前の1.7倍の広さとなった新外来棟は、利便性に加えて、快適性も増した。写真提供/東京慈恵会医科大学附属病院診療科を適切に配置し包括的医療の強化を図る
さらに、新外来棟は“患者さんに優しい外来”をコンセプトに設計されており、患者の利便性を高める工夫も随所に施されています。
なかでも注目したいのが診療科の適切な配置です。
〔サポート部門を同じエリアに集め「ワンストップサービス」を提供〕新外来棟1階に設置された「サポートエリア」では、外来・入院から退院後まであらゆる医療場面における困り事をワンストップで解決。写真提供/東京慈恵会医科大学附属病院「高齢化による疾病構造の変化で複数の診療科にかかる患者さんが増加しています。当院はもともと診療科間の連携がよく包括的医療を得意としてきましたが、ハード面においても関連する診療科を集約し、1つのエリアで診療が完結するように変えました」(井田先生)。
包括的医療の強化は、新外来棟と同時にオープンした「母子医療センター」でも進行中です。
〔「ハイリスク妊娠出産」に備えて周産期医療の設備もさらに充実〕母体集中治療体制を拡充するとともに新生児集中治療室(写真)も12床に増床。晩婚化で増加するハイリスク妊娠出産に備える。写真提供/東京慈恵会医科大学附属病院治療だけでなく、病気や障害のある子どもと妊婦、そしてその家族が抱える諸問題を解決するために、臨床心理士、保育士、ソーシャルワーカーなども積極的に配置していくそうです。
創立140年を迎え、同病院は新たなステージに向かって歩み始めましたが、病気に苦しむ人と向き合う“慈恵の心”は未来永劫守り続けられていくことでしょう。