「当院では診療科や部門の垣根を取り払い、患者さんを中心とした臓器別のチーム医療を徹底してきました。診断・治療の際にはチーム全員で診療情報を共有し、話し合いを重ねて方針を決定していきます。
それゆえに個々に最適な治療と必要とされるサポートをスピーディに提供することが可能です。この診療体制が当院の最大の強みであり、患者さんやご家族の満足感や納得感にもつながっているのでしょう」。
〔世界に誇る診断学の知見をAI診断システムに活用する〕年間3万件以上の内視鏡検査数と精度の高い診断力を生かし、内視鏡画像から早期胃がんを検出するAI診断システムを世界に先駆けて開発。写真提供/がん研究会有明病院現在は、より洗練されたがん専門病院を目指し、世界最先端の治療に加え、さまざまなオプションも提供できる診療体制を構築中です。
「近年、心臓疾患を併存する中高年者が急増しています。この患者さんたちに安全かつ確実ながん治療を行うためには循環器病センターとの緊密な連携が不可欠です。
欧米ではがん専門病院と循環器病センターが隣接しているのがスタンダードで、当院においても有明という地の利を生かし、欧米の標準的な治療環境を整備することに力を注いでいきたい」と佐野病院長は意欲的です。
早期発見・早期治療にも注力し、がんから人々の命を守る
〔年間2万4000人の受診者が利用する「健診センター」〕肺がんにはヘリカルCT、大腸がんにはマルチCTと微細がんを検出できる診断機器を駆使。一方で尿や血液からがんを発見する技術開発にも取り組む。写真提供/がん研究会有明病院一方、コロナ禍で医療機関への受診控えが続く中、佐野病院長は進行がんが増えてくることを懸念します。同院では以前からがんに特化した健康診断を実施しており、感染拡大を防止する目的で一時休止していたものの7月から再開しました。
「早期発見・早期治療によりほとんどのがんは完治します。コロナ禍にあってもこの手を緩めてはいけません」。
創設時に掲げた使命“がん克服をもって人類の福祉に貢献する”を全うするためにいかなるときもその活動を止めることはありません。