――吉田さんご本人も、公演の公式サイトに熱いコメントを寄せられていますね。“狂犬”柿澤勇人に武者震いが止まらない、と。「初共演のときから、鋼太郎さんに喰らいついてますから(笑)。先輩の藤原竜也さんからも『何が何でも喰らいついて行け。吉田鋼太郎はそれくらいすごい俳優だから』と言われていたんですが、本当にそうだなと稽古で実感して。ライブの感覚が好きな鋼太郎さんは、本番中もいろいろ仕掛けてくるんです。稽古では全然やっていなかった動きを入れたりするので、非常に迷惑ではあるんですが(笑)。負けるか!と思って対応していたら、鋼太郎さんに『俺が何をやっても絶対にアドリブで返してくれるから、すごく楽しかった』と言われました(笑)」
――舞台の上以外でも喰らいついていたとか?「毎日、幕が開くギリギリまで鋼太郎さんの楽屋で過ごして、終演後は飲みに連れて行ってもらいました(笑)。芝居のことからプライベートまで、いろいろ聞いてもらって。鋼太郎さんが面白いのは、教えてくれる一方じゃなく、僕に可愛らしい相談をしたりするんです。こんなLINEが届いたんだけど、どういうことかな?とか(笑)。そういうピュアなところや繊細なところも含めて、すごくチャーミングで、だから竜也さんや小栗(旬)さんたちに慕われ続けているんでしょうね。芝居に対しては厳しいし、飲んだら面倒くさかったりもするんですが(笑)、愛される人だなあと思います」
――『スルース~探偵~』では、そんな吉田さんが推理小説家アンドリュー・ワイクを演じ、彼が自分の屋敷に呼び出す妻の浮気相手マイロ・ティンドルを柿澤さんが演じます。作品自体にはどんな印象をお持ちですか?「映画化もされていますし、在籍していた劇団四季でも上演されていた作品。男の復讐劇としてはシンプルでわかりやすいですし、すごく魅力的ですよね。2人の男の腹の探り合いと騙し合いが目の前で展開されていくので、演劇作品として非常にスリリングで面白いんじゃないかと思います。役柄の年齢設定も鋼太郎さんと僕に合ってますし、この人は今、何を考えてこう言っているんだろう?と推理しながら観ると、より楽しんでいただけるかなと」
真っすぐで飾らない人柄が魅力的。愛称は“カッキー”。吉田さんからもそう呼ばれている。