テーブルコーディネーターやインテリアスタイリストとして『家庭画報』のページを彩ってきた
横瀬多美保さん。あらゆるものに美を見いだし、独自の感性でリュクスな空間を創造し続けてきました。そして今、しっくりくるのは上質でありながらもくつろぎ感のあるスタイル、といいます。“生活の中に、美が息づく”そんな日々の暮らしに豊かさを添える素敵なアイディアを巡ります。
LESSON11
思い出の美しき冬景色をクリスマスのテーブルに甦らせて
横瀬多美保さんがコーディネートによって創造する世界は、いつも思いもよらない発想に溢れていると感じます。その独自のインスピレーションはどのようにして生まれるのでしょうか。親しい友人を招いてのクリスマスディナーの演出から、そのヒントを探ります。
テーブルの中央に宿り木(ミスルトー)を高い位置で生けて、宿り木の下でディナーを楽しむ趣向に。Tips1
記憶の中の風景をコーディネートに込める
「今日のテーブルは、景色を楽しみながらガーデンで食事を楽しむイメージです」と、クリスマスのコーディネートを見せてくださった多美保さん。この“クリスマス”דガーデン”という思いがけない組み合わせは、多美保さんの旅の記憶から着想を得たといいます。
「この時季になると思い出す風景があるんです。13年程前のことですがシャトー巡りを目的にフランスのロワール地方へ行きました。そのシャトーの庭の並木道を散歩しながらふと見上げてみると、大木の上の方にミスルトーがたくさん茂っていて、なんて素敵なんだろう!と感動しました」
多美保さんは、心を揺さぶられたその美しい風景をコーディネートによって再現。ダイニングテーブルと窓辺のテーブルの2か所に、まるで立ち並んでいるかように大きなミスルトーをあしらいました。豊かなイマジネーションによって作られたテーブルや空間は、まさにフランス郊外の冬景色を彷彿させ、都心の一室とは思えないような空気感が広がっています。