テーブルコーディネーターやインテリアスタイリストとして『家庭画報』のページを彩ってきた
横瀬多美保さん。あらゆるものに美を見いだし、独自の感性でリュクスな空間を創造し続けてきました。そして今、しっくりくるのは上質でありながらもくつろぎ感のあるスタイル、といいます。“生活の中に、美が息づく”そんな日々の暮らしに豊かさを添える素敵なアイディアを巡ります。
LESSON19
さりげない心遣いがおもてなし感を演出する鍋料理のテーブル
皆で賑やかに、肩肘張らずにカジュアルに集うのが鍋パーティのよさです。とはいえ、お客さまをお招きするのですから、程よいおもてなし感も必要。鍋料理が主役のテーブルに目を向けると、ゲストへの心遣いから生まれたさまざまなアイディアが見えてきました。
樺材に銀のラインが入った折敷は、「クリストフル」製。深みのある色が美しい神代杉の箸は、京都の「中川木工芸比良工房」のもの。Tips1
気軽な鍋料理も折敷で格調高いセッティングに
テーブルコーディネーターとして活躍している横瀬多美保さんは、料理のレシピ本をスタイリングする仕事も多く手掛けています。
仕事を通して知ったレシピの中でも、冬になると横瀬家の食卓に度々登場するのが、
料理研究家である後藤加寿子先生の“鶏の丸とかぶの鍋”。
「シンプルで作りやすく、ちょっと家に寄りませんか?という、気取らない集まりにもぴったりです。このレシピを知ってから鍋料理をメニューに選ぶことが多くなりました」と、多美保さん。
カジュアルでありながら、おもてなし感があるセッティングの要になっているのは、めいめいの席に置かれた折敷。
「折敷はランチョンマット感覚で気軽に使え、テーブルを品良くまとめてくれるアイテム。鉢をそのまま置くよりぐっと特別感が出て、和の趣もプラスしてくれます」。折敷の上には、韓国の器ギャラリーで見つけた若手作家の素焼きの角皿と、内側のみに釉(うわぐすり)が掛かった鉢をのせて。洗練と素朴さが混じり合った雰囲気に仕上げます。