素敵に年を重ねている加藤雅也さん。今年、俳優生活30周年を迎える。加藤雅也さんが主演する映画『二階堂家物語』が公開されました。奈良の旧家を舞台に、跡継ぎ問題に頭を抱える3世代の家族の愛と葛藤を描く、味わい深い作品です。一人息子を亡くし、妻も出て行ってしまった二階堂家の長男・辰也を演じる加藤さんに、作品や奈良の魅力について伺いました。
――『二階堂家物語』は、今後の活躍が期待される若手映画監督を招き、奈良を舞台に映画を制作する、なら国際映画祭のプロジェクト“NARAtive(ナラティブ)”から生まれた作品。出演を決められた理由には、やはりご自身の出身地が舞台であるということもあったのでしょうか。「もちろん、故郷の奈良で映画を撮るというところには、とても惹かれました。そもそも、僕のところにこういう作品のオファーが来ることは、まずないですから。やればまた、“こういう加藤雅也もありだな”と思ってくれる人が出てくるかもしれないけど、この機を逃したら一生、やることがないかもしれないなと思いまして。しかも監督は、イランの女性。外国人の監督を招いてこういう映画を制作しようなんて、今の日本では滅多にない企画でしょ? そういうところにも興味を持ちましたね」