「足寿命」を延ばして100歳まで歩く 第4回(全8回) よく歩く人は、いつまでも健康で長生きする──。さまざまな研究により歩行と健康寿命の関係が明らかになってきました。一方で、50代から足のトラブルに悩まされる人も増えてきます。実は足の寿命は50〜60年で尽きるといわれており、今まさに足の健康はターニングポイントを迎えているのです。足寿命を延ばすケアで“100歳まで歩ける足”になりましょう。
前回の記事はこちら>> 放置してはいけない「足の病気」
・
(1)皮膚・爪のトラブル>>(2)関節の変形・痛み
つま先の細い靴やハイヒールを履き続けるなど長年の習慣は、気づかないうちに足指の関節や足アーチにダメージを与えています。その足の痛みは関節の変形が原因かもしれません。
【外反母趾】
親指のつけ根が変形し、歩行時に強い痛みがある日本整形外科学会「外反母趾診療ガイドライン」では、親指が内側に曲がる角度が20度以上を外反母趾と定義している(正常は15度以下)。重症度は20~30度を軽度、30~40度を中等度、40度以上を重度と分類している。●原因と症状親指が小指の方向に曲がり、つけ根の部分が出っ張った状態になる。親指以外の指も変形したり、靴を履いたり歩いたりするときに強い痛みを伴う。生まれつきの足の骨格構造に影響されるが、つま先が細い靴やハイヒールを愛用すると外反母趾を起こしやすい。
●対処法初期の外反母趾ではオーダーメイドのインソールを使用して痛みを軽減したり進行を防いだりする。また、日常生活ではつま先の細い靴は避け、ハイヒールを履く時間もできるだけ短くして足への負担を減らす。足指の運動療法も効果的。このような保存的治療で改善しない場合、症状が重い場合は手術の適応となり、重症度に応じて手術の方法が選択される。(エクササイズについては1月29日、靴とインソールについては2月2日公開予定の記事にてご紹介)
●受診の目安ハイヒールの愛用者は一度、足の専門医でチェックを。