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金メダル獲得で得られる、とてつもない自信【松岡修造さん心のコラム】

2020.03.12

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我らが応援団長、松岡修造さん心のコラム第14回

日本人初のオリンピック金メダリストが誰か、ご存じでしょうか? 陸上男子三段跳びの織田幹雄さん(1905~1998年)です。日本人選手が初めてオリンピックに参加したストックホルム大会の16年後、1928年アムステルダム大会での快挙でした。さて、今回のテーマは「金メダル」。これまで大勢の金メダリストに話を伺ってきた松岡さんが、“金メダルを獲るということ”について語ります。

金メダルを呼び込む“オリンピーキング”




柔道女子の谷本歩美さんは、2004年アテネ、2008年北京で金メダルを獲り、2連覇を達成。写真/ロイター/アフロ

「金メダルを獲ると、とてつもない自信を得られる」


金メダリストのみなさんには、狙って獲った人と、思いがけず獲った人と、2通りいると思います。

ただ、どちらの場合も変わらないのは、「金メダルを獲ると、とてつもない自信を得られる」ということ。僕はそれを2004年のアテネと2008年の北京、2つのオリンピックを通じて強く感じました。

北京オリンピックで日本が獲得した金メダルは全部で9個。金メダリストたちのなかで、柔道の石井 慧選手とソフトボールチーム以外は全員、アテネで金メダルを獲った選手でした。

2個の金メダルを獲得した水泳の北島康介さんや柔道の谷本歩美さんなど、6名もの選手が2連覇! これは本当にすごいことです。

2連覇した選手に共通するのは?

2連覇した選手に共通するのは、アテネ大会の後、北京大会までの間に程度の差はあっても何かしら挫折を経験したこと。

北島さんも柔道の選手たちも、勝てない苦しい時期がありました。それでも、みなさん、「オリンピックになったら、自分は強くなれると思っていた」と言います。これも共通!

金メダルを獲った人にしか言えない言葉だと思うのですが、確かに、オリンピックが近づくにつれ、それまで国内大会ですら苦戦を強いられていたアテネの金メダリストたちが続々と勝ち始め、世間を沸かせたこと思い出します。

4年に1度の大舞台にピークを合わせる

彼らは金メダルを獲得したことで、4年に1度の大舞台にピークを合わせるという、非常に難しいこと──僕は“オリンピーキング”と呼んでいます──を成し遂げる術を知り、大舞台で勝ち抜く自信を得たのだと思います。だから、苦しい時期も乗り越えて、再び金メダルに輝くことができたのでしょう。
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