2.次世代エース小山 奈良さんや村上さんの次の世代で海外で成功しているのは、五木田智央
※10と加藤 泉
※11ですね。
※10 五木田智央(ごきたともお)1969年生まれ。イラストからファインアートの世界へ。近年はモノトーンの独特の人物画が人気。※11 加藤 泉(かとういずみ)1969年生まれ。胎児のような不思議な生命体をモチーフにした絵や立体作品を内外で発表。小池 その次の世代のエースといえば、やはり名和晃平
※12でしょうか。
名和晃平 なわこうへい(1975-)PixCell-Double Violin 2015 ミクストメディア 74.8×48.0×36.0cm 撮影/表 恒匡 ©Sandwich, courtesy of SCAI THE BATHHOUSE※12 名和晃平(なわこうへい)1975年生まれ。ガラスビーズ、発泡ポリウレタンといった素材と先端技術を駆使した彫刻が有名。鈴木 なにしろルーブル美術館のピラミッドに作品が展示されるぐらいだからね。でも、もはやかなり高価なのでは?
小池 確かに立体は高額ですが、平面作品の小品なら手が届きますし、名和さんは中国で人気が出始めているので、まだまだ価値が上がるかと。
鈴木 優秀なコンサルタントの話は参考になりますね(笑)。
小池 それから、塩田千春
※13。塩田さんは巨大なインスタレーションの中に観客が入っていける体験型の作品をつくっていて、それと同じ糸を用いた小さな作品を買うことができるのも魅力だと思います。
※13 塩田千春(しおたちはる)1972年生まれ。巨大なインスタレーション作品の中に入り、観客が共鳴できる点が魅力。鈴木 森美術館の塩田さんの個展はインスタ映えすると話題になり、非常に人気が高かったと館長の片岡真実さんに聞きました。片岡さんや南條さん、長谷川祐子さんなど、有力なキュレーターが注目する作家は次世代のエースになる可能性が高いでしょうね。
小池 目が高いギャラリストが扱う作家もそうですね。私は小山さんのギャラリーでは、落合多武
※14も好きです。
※14 落合多武(おちあいたむ)1967年生まれ。ドローイング、映像、彫刻など多様な表現を用い、連想のプロセスを形にする。鈴木 僕は工藤麻紀子
※15と桑久保徹
※16。画家の生涯を1枚の絵に集約した桑久保さんのシリーズは好きだけど、値段的にもサイズ的にも買えず、残念(笑)。
工藤麻紀子 くどうまきこ(1978-)そそのかすアマリリス 2019 キャンバスに油彩 116.7×91.0cm 撮影/高橋健治©Makiko Kudo, Courtesy of Tomio Koyama Gallery※15 工藤麻紀子(くどうまきこ)1978年生まれ。日常の風景と、夢や記憶の中のイメージが混在した不思議な心象風景を描く。※16 桑久保 徹(くわくぼとおる)1978年生まれ。ピカソ、ゴッホ、フェルメールなど、尊敬する画家の生涯をそれぞれ1枚の絵に集約。小山 うちからもう一人挙げるなら、杉戸洋
※17。あと、シュウゴアーツ所属の小林正人
※18。彼は作品ばかりか人間的な魅力がすごい。近作の自伝も必読です。
杉戸 洋 すぎとひろし(1970-)untitled 2017 キャンバスに油彩 38.0×45.5cm 撮影/高橋健治 ©Hiroshi Sugito, Courtesy of Tomio Koyama Gallery※17 杉戸 洋(すぎとひろし)1970年生まれ。画風は詩的だが、絵画にとどまらず、空間を読み解き、建築的なアプローチを試みる。※18 小林正人(こばやしまさと)1957年生まれ。キャンバスを張りながら手に絵の具をつけて描く独自の技法で、光や空気を表現する。小池 私はシュウゴアーツでは、リー・キット
※19にも注目しています。
鈴木 タカ・イシイギャラリーのクサナギシンペイ
※20もいいですね。
クサナギシンペイ(1973-)My Garden 2017 キャンバスにアクリル 194×194.5cm 撮影/高橋健治 ©Shinpei Kusanagi, Courtesy of Taka Ishii Gallery※19 リー・キット(李 傑)1978年香港生まれ。絵画、映像、家具などを配し、空間を絵のように見せたインスタレーションに注力。※20 クサナギシンペイ1973年生まれ。独自のにじみ(ステイン)の技法と筆跡を基調に、具象と抽象の間を描き出す。