「知性」を磨くことで、真の自由を手に入れて
「風の時代」とはどんな時代なのでしょう? 「風」は「知性」や「情報」を象徴します。
今、急速に起こっているオンライン化や情報化は、まさに「風の時代」の到来にぴったりですね。また目に見える物質を象徴する「地の時代」の世界から、より自由で、抽象的な世界への変化は、たとえば仮想通貨やキャッシュレスへの移行にも見られます。そして既存の地縁血縁の支配からの解放を暗示するのかもしれません。おしなべて社会のシステムや人の価値観が、もっと「自由」な時代になっていくのかもしれませんね。
でも、その一方で、何事にもマイナス面もあるはずです。情報が力をもつということは、その情報の暴走も考えられます。人々の意見の二極分化やフェイクニュースなどは、その兆候かもしれません。
惑わされることなく生きるためには、僕たちはこの「風の時代」にこそ、本当の「知性」を磨く必要がありそうです。目先の興味をかきたてる言葉やスローガンに飛びつくのではなく、また簡単に善悪を判断するのではなく、信頼できる知識を集め、それを批判的に考えること。異なる意見も受け入れ、それと共存すること。これが本当の優しさと自由につながるのではないでしょうか。
ちょっと皮肉な言い方になるかもしれませんが、例えばこの「風の時代」という印象的な言葉をそのまま受け入れて軽く騒ぐのは、実は「風の時代」的とは言えないですね。
今回ご紹介したようにこの言葉の背景には長い歴史があります。科学と魔術的な思考が絡み合った、重厚な人々の歩みがあるのです。ギリシャ、ペルシャの時代に生まれた観念が千数百年の時を超え、現代のメディアで注目されていること自体が面白いではありませんか。
その中で「時代の変わり目」とは何か。自分の立ち位置は何か。大きな視点で今を見つめてみることこそが「風の時代」にふさわしいのではないかと思います。