劇団☆新感線の座付き作家・中島かずきさんは、福士さんの初主演作『仮面ライダーフォーゼ』の脚本も手がけている。「中島さんは、本当に最初の頃から僕を見てくださっている芸能界のお父さんの1人です。今回の永流という役にも、中島さんの愛情を感じます」昨年デビュー10周年を迎え、ますます充実ぶりを見せる俳優の福士蒼汰さんが、劇団☆新感線の新作舞台、いのうえ歌舞伎『神州無頼街』に出演します。コロナ禍による公演延期を経て、2022年3月から大阪、静岡、東京で上演される、けれん味たっぷりの伝奇時代活劇です。福士さんが演じるのは、宮野真守さん演じる相棒・草臥(そうが)とともに、謎の侠客一家に立ち向かっていく町医者・秋津永流(あきつ ながる)。稽古の様子や見どころ、今後の展望などを伺いました。
――上演延期が発表された2020年から2年を経て、上演が叶った本作品。どんな気持ちで臨まれていますか?「うれしくて、ありがたい気持ちです。最初は“中止”だったのに、『いつか上演してほしい』というたくさんの声が寄せられたことで“延期”に変わったというのが、僕は特にうれしくて。こういう状況の中でも、この舞台を観たいと思ってくださっている方が大勢いるんだなと感じました。2年延びた分、殺陣の準備ができましたし、お芝居の面でも作品ごとに得られたものがあるので、2年前より良い状態で臨めていると思います」
――稽古場の雰囲気はいかがですか?「明るくて、とてもいい雰囲気です。いのうえひでのりさんは楽しそうに演出されていますし、それにすぐ応えられる方が多くて。特に、いのうえさんとずっとご一緒されてきたスタッフの皆さんは、自分達のほうからどんどんアイディアも出していて、素晴らしいチーム力だなと感じます。作品としては、歌と踊りと派手な演出が多くて、なおかつ、幕末の侠客の話なのでダークな面も描かれていて。またちょっと新しい劇団☆新感線作品になっている気がします。もちろん立ち回りもあるので、覚えることが多くて大変ですが、楽しいです。いのうえさんに演出していただいた過去2作品分の経験値があるので、気持ちに少し余裕ができたのかもしれません」