「自分の体と向き合い、臓器の声を聞くことが大切なんですね」── 松岡さん
伊藤先生の話に何度も驚きの声を上げていた松岡さん。なお、先生の“推し”は阪神タイガース。「脳ファースト」を改め臓器の声に耳を傾ける
松岡 興味深いお話をいろいろ伺ってきましたが、健康のために各自が心がけたいことを教えていただけますか。
伊藤 まず、自分の体と対話することですね。僕は「一病息災」というんですが、体のどこかが悪い人のほうが長く元気でいられる場合があるんです。たとえば胃が悪くなれば、いたわろうと思いますし、健康のことも考えるようになりますよね? そういう不調に気づくには、日々、脳以外の臓器の声を聞くことがとても重要です。
松岡 「腸さん、今日の調子はどうですか?」と問いかける。
伊藤 そうです。それには五感を磨くことが重要で、おいしく食事をするのもいい。自分の舌、腸の声を聞いているわけですから。むしゃくしゃするからとストレス食いをしているようなときは腸の声が聞けていません。
松岡 非常にシンプルな話をされていると思うのですが、なかなか実行できないのはなぜでしょう?
伊藤 「脳ファースト」になっているからです。本来はおなかが空いたら食べ、眠くなったら寝るほうがいいわけですが、現代人は脳で決めたスケジュールで動いている。当然いろいろと不調が起こります。ほかの臓器にも意識を向けるようにしたいですね。