2.自分に必要な検査と受診頻度は結果説明の場を活用して医師に相談も
健康診断と比べて人間ドックは検査項目が多く、自分の受けたい検査を選べるメリットがある半面、オプション検査を含め、どのような検査をどれくらいの頻度で受ければよいのか迷うことも少なくありません。こうした悩みに対して、本田先生は次のようにアドバイスします。
「人間ドックは症状がない人を対象とした医療サービスです。気になる症状があって診てほしい場合は、その症状に合わせた検査が必要になるので、人間ドックではなく病院やクリニックで診察を受けてください。初めて人間ドックを受診する場合は、自覚症状のない段階で病気やリスク因子を早期に発見するという目的から、まず一通りの検査が行える基本コースの受診をおすすめします。加えてご自身が何を調べたいのかがはっきりしている場合は、オプション検査を一緒に申し込まれるのがよいと思います」
オプション検査について迷う場合は、結果説明の場で医師に相談するのも賢い受け方の一つです。結果説明の場では、基本コースの検査結果や年齢、生活習慣など本人が心配している事柄をもとにオプション検査や専門ドックについての説明を受けることができます。
そして、誰もが気になるのはがんです。女性が最も多く罹患するのは乳がんで、その罹患率は40~45歳から急に高くなり、45歳以上で高止まりします。2番目に多いのは大腸がん、3番目に多いのは肺がんで、これらの罹患率は年齢とともに高くなります。
がんの罹患リスクには、年齢、性別以外に家族歴(血縁関係のある近親者の疾患情報)や生活習慣、嗜好品(酒、たばこ)、感染症(肝炎ウイルス、ヘリコバクター・ピロリなど)も関係し、人によって危険度は異なります。そのため、検査方法の選択やオプション検査の受診頻度などは結果説明の場で医師に相談し、アドバイスをもらうのがよいでしょう。
「結果説明を受けられるのは人間ドックならではのメリットです。ぜひ上手に活用してください」
また、成熟世代以降はどの女性も、骨量が減少し、動脈硬化が進行しやすくなります。50歳以降は骨密度の状態とコレステロール値など動脈硬化の危険因子の数値を定期的に確認し、結果によっては早めの対策が望ましいことも知っておきましょう。
人間ドック*で見つかりやすいがんの例
●乳がん(マンモグラフィ・乳房超音波検査)
●大腸がん(便潜血検査・内視鏡検査)
●肺がん(胸部CT検査)
●食道がん、胃がん(内視鏡検査)
●肝臓がん、腎臓がん(腹部超音波検査)
●子宮頸がん(婦人科医によるがん細胞診)
●前立腺がん(PSA検査・前立腺MRI検査)
*オプション検査を含む