ツアー中は作品を通してお互いのことも色々話すという。「そういう他愛もない話をする時間があることも、ツアーの楽しみの一つですね」(大植)。――作品の中でも、それ以外の場でも、三人三様の個性が絶妙なバランスで作用し合っていて面白いです。お互いのことをどう見ているのでしょう?
平原:「第1弾をやった時に、何かの取材で、お互いを何かにたとえて表現してくださいと言われた時は、僕は大植さんは“おじいちゃん”で、未來くんは“おばあちゃん”と答えました。未來くんは、話が長いうちのおばあちゃんみたいだなと思って(笑)」
森山:「言ってたね、そんなこと(笑)。僕は、真太郎さんは“北極海あたりを彷徨う鯨”、慎ちゃんは“顔が狐で体が馬”って答えたと思う(笑)」
大植:「僕は電化製品にたとえて、未來くんはデカい音で落ち葉を散らしたり集めたりする“バキューム”、慎ちゃんは“電子レンジ”って答えましたね。慎ちゃんは何でもマルチにできるんですよ。でも、つくったものが美味しいかっていうと、そういうわけでもない(笑)」
森山:「そうそう。マイクロウェーブは昨今、体に悪いともいわれてるしね(笑)」
平原:「ひどいなあ(笑)。でも、楽しいです。僕にとってここは、いちばん何も強いられない場所。自分が参加しているダンスカンパニーのコンドルズや、主宰しているOrganWorksには、わりとはっきりしたカラーや方向性があるんだけれども、ここではフラットな関係性と自由さで、その時々の自分のホットトピックスを落とすことができる。2人から受けたものを返す瞬発力も鍛えられます。あ、フラットといっても、リーダーは大植さんですよ!」
大植:「取って付けた感があるなあ(笑)。でもまあ、実際、第1弾の時にはシリーズ化まで考えてなかったですからね。それが第3弾まで続いて、そういう意味でも、この出会いにはすごく感謝しています。僕は、そんなにたくさん作品をつくってないので、『談ス』に対しては、これからも作品の一つひとつを大事にしていきたいという気持ちが、やっぱりちょっとありますね」
平原:「ちょっとなんだ(笑)」