心躍る春の味
文・タサン志麻
寒い冬が終わり、ぽかぽかと暖かい日が増える春はワクワクする季節。我が家の近くにある桜並木からも花芽が出てだんだんふくらんでいきます。植物がいっせいに芽吹く生命力に溢れたこの季節は、歩いているだけでも元気をもらえるような気がします。
フランスの春を告げる野菜には、ピサンリというたんぽぽの若葉や、アスペルジュソバージュ(野生のアスパラ)という名のアスパラガスに似た少し粘りのある野菜、日本でもよく見かけるホワイトアスパラガスなどがあります。
今回はそんなフランスの春が堪能できる一品「たんぽぽのサラダ」をご紹介します。
とはいうものの日本のたんぽぽでは代用できないので、少し苦みのある葉もの野菜で作ります。
手に入りやすいルッコラやクレソン、またチリチリとした葉のエンダイブや小さい白菜のようなアンディーブをいつもの葉ものサラダに混ぜて、フランスパンをカリカリに焼いた手作りのクルトンと黄身がとろっとしたポーチドエッグを添え、ベーコンとその脂で作ったあつあつのドレッシングをかけます。
少し苦みのある野菜と、ベーコンのうまみたっぷりのドレッシング、とろとろ卵の相性がよく、くせになる味わいです。
香り豊かな春のサラダに合わせるのは、こちらも春野菜たっぷりのチーズリゾットです。
豆類は少し豆特有のにおいが残るので、さっとゆでてからお米を炊くコンソメスープで温めます。手間がかかるように感じますが、実際はそんなに面倒なことではありません。
たけのこや菜の花などもおすすめ。野菜はすべて混ぜてもよいのですが、半分散らすと見た目も春らしい仕上がりになります。こうした工夫も食卓を彩る大切なポイントです。いつもの料理もちょっと意識して盛りつけを変えるだけで華やかになります。
お庭やベランダで、春の風を感じながら食べるのもいいですね。ご家族やご友人との食事の時間が楽しくなりますように。またお会いできる日を楽しみに!
◆志麻さんのキッチンが知りたい!◆
献立を考えるときのポイント
献立を考えるとき、志麻さんはまずメインの肉や魚を決め、次にその日の天気や気分で焼くのか、軽く煮るのか、蒸すのかなど調理法と味つけを決めます。
合わせる野菜は旬のものを。前菜はメインに時間がかかる場合はあまり手のかからないものにするなど、味や調理法以外に時間のバランスも重視します。
毎日の食事作りは大変ですが、無理をせず家族で楽しく食べられるような献立を考えてみてください。